コラム

「テロワール」「ブショネ」「バリック」――ワイン好きなら押さえておきたい基本用語

ワインのことをたくさん知りたい!――でもワインを少し分かってくると、必ずぶつかるのが専門用語の壁。「なんとなく聞いたことはあるけれど、こんな意味で良かった?」と迷うことも多々あるのではないだろうか。

これから涼しくなり、よりワインが味わい深く感じられる季節がやってくる。よく使われて、しかも用法を間違うと少し恥ずかしい定番用語の意味を、確認しておこう。

Tintilla

テロワール

ぶどうが栽培される土地の自然環境条件の特徴を示す言葉。もともとはフランス語で「土地=terre」から派生した。

地理、土壌、気候、地形などが含まれ、「テロワールを生かしたワインづくり」などのように使われる。主に「他とは違うユニークさ」といったニュアンスを強く持つ。

いかにそのテロワールを熟知し、テロワールに合ったぶどうを選択し、テロワールに合ったつくり方をするかがワインの出来栄えを大きく左右する。

Vineyard 002

バリック

ワインの熟成に使う木樽のことを指す。主にボルドーやコニャック地方で使われてきた言葉だ。

ブルゴーニュやシャンパーニュでは容量の違う樽が使われ、「ピエス」と呼ばれる。

全世界的にフレンチオーク、アメリカンオークが主流。新しい樽は香りが良いが、数年使うと香りが落ちてくる。トップワイナリーでは1年しか使わず、ランク下のワイナリーに転売することもある。

Barriques

<参考記事>
ワインの香りにも大きく影響! オーク樽の役割や3大生産地ごとの特徴・値段の違いを学ぼう

オリ(澱)

ワインの成分が時間とともに結晶化したもの。渋みを感じさせるタンニンやポリフェノール、また酒石などが集まったものだ。

同じワインでも、若いうちはオリがなくても、年月を経るとオリがたまる。特に味わいのしっかりしたワインや保存状態の悪いワインにはオリがたまりやすい。

飲んでしまっても体に害はないが、舌触りの悪さがワインの風味を損ねることもある。

熟成を楽しむワインは瓶を寝かせて保存し、飲む前にデキャンタージュを行うのが良い。

また、お店によっては「パニエ」と呼ばれるサービス用のバスケットのようなものがある。これはオリを起こさず沈殿させたままワインを注ぐことができる優れものだ。

My favorite wine

ブショネ

「このワイン、変な味がするような気がする」。そう感じた経験はないだろうか。

ワインの劣化にはさまざまな原因があり、温度管理や日光の影響などもあるが、かなり多いのがこの「ブショネ」だ。

ブショネは、「コルク=ブション」に起因する。コルクは自然由来のものなのだが、その中の微生物が悪さをして、ワインに悪影響を与えてしまった状態のことを言う。

Cork

特徴は「変な匂いがする」に尽きる。プロは抜いたコルクの匂いで判断できるが、プロでなくてもワインの華やかさが明らかに何かに邪魔をされている感じがするものだ。実際のところ、フランスワインの5~8%がブショネになってしまうという。

もし楽しみにして買ってきたワインから明らかに変な匂いがしたら、勇気を持ってワイン店に伝えてみよう。良心的な販売店なら、確認後にきっと取り替えてくれるはずだ。

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About the author /  Yayoi Ozawa
Yayoi Ozawa

フランス料理店経営ののち、ワインとグルメ、音楽を専門とするライターへ転身