2014年、ワイン用のぶどう畑の面積がフランスを抜いて世界2位になった中国。今度は中国の“舌”が世界一位に輝いた。
フランスで開催されたテイスティング大会、優勝は中国チーム
10月13日、フランスのワイン雑誌『La Revue du vin de France』が主催しているテイスティング大会が開催され、フランスやアメリカ、前大会の優勝者であるスペインなど、全世界から21のチームが参加した。
同大会では、12のボトル(赤白各6)の銘柄を隠して試飲し、ワインの生産地、ぶどう品種、ヴィンテージ、ワイナリー、アペラシオンを当てて点数を競うことになった。
このテイスティング大会で優勝したのは、中国チーム。あらゆる関係者の予想を裏切る形となった。
中国チームの選手はLiu Chunxia、Tze Chien Chen、Xi Chen、Xianchen Maの4人。いずれもまだ若く、本人たちも「50%の実力と、50%の運で優勝できた」と謙遜している。
Eatglobe:Chinese Wine Tasting Team Is World’s Best
波乱だらけの大会
中国チームの優勝を大会の主催者は、「ワイン界に雷が落ちた」と表現しているのだが、驚きの結果はそれだけではなかったようだ。
同大会の結果は、次のとおりだ。
1位:中国(108点)
2位:フランス(102点)
3位:アメリカ(100点)
4位:ベルギー(99点)
5位:アンドラ(98点)
6位:南アフリカ(92点)
7位:フィンランド(87点)
8位:ルクセンブルグ(80点)
9位:ポーランド(79点)
10位:スペイン(76点)
2位から5位まではなかなかの接戦だったようだ。ニューワールドの南アフリカが5位に入り、前年の優勝国であるスペインは10位にまでランクを下げた。日本からも参加したが、20位に終わっている。
味で高い評価を受けたことも
中国がワインで世界を驚かせたのは、今回が初めてではない。
イギリスのワイン雑誌『デキャンタ』が開催している、国際ワインコンクール「デキャンタ・ワールド・ワイン・アワード(DWWA:Decanter World Wine Awards)」では、2011年に「赤のボルドー品種10ポンド以上」の部門で中国のワインが金賞を受賞している。
受賞したのは、中国北部にあるワイナリー、ヒー・ラン・クィン・シューの「ジャベイラン2009 カベルネ・ブレンド」。生産地である寧夏回族自治区は、夏は暑くて乾燥しており、冬はぐっと気温が下がる気候で、ワインの生産地として注目を集めているという。
中国ではもともとボルドー品種の人気が高いそうだ。気候に恵まれていて、土地もあり、そして舌もそろっている中国。日本で中国産のワインを見かけることはあまりないが、今後のワイン界でどんな活躍を見せてくれるのか楽しみだ。