2017年2月に開催された「NAGANO WINE FES. in TOKYO」。同イベントに参加した長野県のワイナリーをいくつか紹介していきたい。
Vino della Gatta(坂城葡萄酒醸造)は、長野市内でイタリアンレストランを経営するシニアソムリエの成澤篤人さんが、2011年に千曲川ワインバレーで始めたワイナリーだ。今回がNAGANO WINE FESへの初参加となった。
他のワイナリーからも注目を集めたワイン
今回出品したのは、成澤さんが経営するレストランとNAGANO WINE FES. in TOKYOでしか飲めないという「坂城カベルネ・ソーヴィニョン2015」(5140円・税込)。豊かな果実味とフレッシュな味わいのワインで、他のワイナリーからも「飲んでおくといい」という声があがっていた。
試飲した方の反応に手応えも
Vino della Gattaのワインについて成澤さんは、「地元のぶどうを使い、自分たちで目が届く範囲で栽培していく予定です。それほど多くはつくれないと思いますが、高品質なワインを目指します。また、レストラン・ソムリエ出身者として、地元の食材にこだわり、相性を考えながらつくります」とコメントしている。
最初の1本である「坂城カベルネ・ソーヴィニョン2015」については、「今回初めてワインを出しましたが、ありがたいことに、皆様に好評いただけたと思います」と手応えを感じたようだ。
また、「醸造は自分たちで手掛けたわけではないので、うれしい反面、『ここからです!』と言うのが正直な気持ちです」とも語っている。
Vino della Gattaの今後
来年の夏には、成澤さんの地元である長野県坂城町でワイナリー・レストランを開業予定。ワインがつくられたのと同じ空気の中で、食やワインを楽しんでもらいたいと考えているそうだ。一般発売の予定は、2019年春ごろとなる。
それまでVino della Gattaのワインが飲めるのは、長野市内にある3つの飲食店「オステリア・ガット」「LA GATTA」「粉門屋仔猫」のみ。
これからの進化が楽しみになるワイナリーとの出会いは、NAGANO WINE FESならではのことだろう。
代表としてNAGANO WINE FESを振り返る
成澤さんはNAGANO WINE応援団運営委員会の代表も務めている。
「帝国ホテルで行うフェスは今回3回目でして、手探りで始めた初年度と比べ、お客様の満足度は上がってきていると感じています。新しくできたワイナリーやヴィンヤードの皆さんも、首都圏での宣伝にもなったと思います。参加者の皆さんも、初めて知るワイナリー、ヴィンヤードと話をすることができたのではないでしょうか」と振り返っている。
また、「ここ何年かでワインイベントが増え、打ち上げで飲むことも含めてご一緒することが多くなってきました。“仲間”として横のつながりができまして、ライバルではあるけれど競争相手ではなく、協働相手と思えるようになってきたと感じます」と語っており、伝統と若い世代がつくるNAGANO WINEの“熱さ”が感じられた。
<関連リンク>
“NAGANO WINE”の現在地――ワイナリーは25社から33社へ増加、サミットワインの過半数は長野産。地方創生の軸となるワイン産業
【参加レポ】長野ワインが集まる「NAGANO WINE FES. in TOKYO」は、お得でフレンドリーなイベントだった
世界初のワインも? 挑戦し続ける創業101年目の信濃ワイン【NAGANO WINE FESレポ】
コスパ抜群のあづみアップル。自社ワインの品質に自信あり【NAGANO WINE FESレポ】
満足度の高さがうかがえた安曇野ワイナリー【NAGANO WINE FESレポ】
サミットで提供された「ヴィニュロンズリザーブ シャルドネ」を手掛けたヴィラデストワイナリー【NAGANO WINE FESレポ】