コラム

ワインを15~20分で飲みごろに――超音波による撹拌で酸素を”抜く”「Sonic Decanter」

長期熟成に耐えるちょっと贅沢な赤ワインを買ってみたが、飲みごろを迎えるまであと数年はかかる。だけど、そんなに待っていられない。どうにかして今すぐ飲みたい――。

そんな思いをすることが多い人に、おすすめのアイテムが登場した。ワインやウィスキー、日本酒の味や香りのポテンシャルを数分~20分ほどのうちに引き出せるとうたう「Sonic Decanter」(ソニック デキャンタ)だ。

Sonic Decanterを使うと、超音波の振動によってワイン内に細かい気泡を発生させる。気泡によってワインを攪拌(かくはん)することで、酸素を抜くことができるという。

そうすることで手持ちのワインが長い年月をかけて熟成させたような味わいへと変貌。酸味や雑味が抑えられて余韻が広がるようになり、口当たりがシルクのように滑らかになるそうだ。

Sonic Decanterは2016年9月からクラウドファンディングサイト「Makuake」で先行予約販売していたが、目標としていた金額の6倍を超える予約が入った。生産が追いつかず、日本での販売が1年以上遅くなったようだ。

価格は3万4800円(税込)。Sonic Decanter本体の色は、ブラックとホワイトの2色から選べる。ハンズエイドが運営する「イノベ部公式ストア」で発売となり、2018年春からは小売店での販売も開始する計画だ。

「酸化」ではなく「酸素を抜く」というアプローチ

これまでもワインのポテンシャルを引き出すため、デキャンタージュやエアレーションなどによって空気を含ませる手法が採られていた。しかし、酸素を取り込むことで酸化が進み、ワインの品質を低下させる恐れもあった。

Sonic Decanterはそうした手法とは逆に、超音波を使って酸素を抜く。販売元のハンズエイドの情報によると、Sonic Decanterの使用後には「防腐剤として使用される二酸化硫黄(SO2)の減少」「ph値の減少」「アントシアニンの減少」「揮発酸(VA)の減少」という4つの効果があることが研究所の調査によって確認されたという。さらに、タンニンをやわらかくして、エステルやポリフェノールの化学構造を改良する効果もあると説明している。

また1度デキャンタージュしてしまうと、その場で全部飲まなくてはいけなくなる。Sonic Decanterを使った場合は、ワインのボトルをそのままSonic Decanterの装置に置けばいいので、ボトル内のワインを外に出す必要はない。コルクやキャップを閉めて適切な環境で保管すれば、数日間、ある程度は品質を維持できるだろう。

Sonic Decanterの使い方は簡単。Sonic Decanter本体に水450mlほどを入れて、ワインボトルを設置する。赤ワインか白ワインかを選択してボタンを押すと、赤ワインなら20分ほど、白ワインなら15分ほどで熟成できるということだ。

日本酒やウィスキーでも利用可能。好みの熟成感に合わせて、5~20分ほどSonic Decanterの超音波を当てることでまろやかな味わいに変えることができる。

都内2店舗で試用可能

果たして、Sonic Decanterの実力はいかほどのものなのだろうか。気になる人は、次に挙げる都内2店舗でSonic Decanterを試用可能だ。店舗に行って「Sonic Decanterを試したい」と伝えれば、試すことができる。

「Bar 霞町 嵐」(西麻布)

住所:東京都港区西麻布3-23-14 内田邸 B1F / TEL:03-5772-8811
アクセス:日比谷線六本木駅より、徒歩15分。日比谷線広尾駅より、徒歩10分。

「Bar Eterna(銀座)」

住所:東京都中央区銀座8-6-11 新和ビル B1F / TEL:03-6228-5389
アクセス:新橋駅より、徒歩4分程度

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