コラム

フランス南西部のおすすめワイン9本 ~注目集まるシュッド・ウエストの高品質な赤・白ワインたち

前回、世界的なトレンドを追い風に、フランスのシュッド・ウエスト(南西部)で生み出されるワインに注目が集まっていることをご紹介した。

今回は、そのシュッド・ウエストでつくられる良質なワインをいくつかご紹介していこう。

白・ロゼワイン

シャトー・ブースカッセ レ・ジャルダン・フィロソフィック


つくり手:ヴィニョーブル・ブリュモン
アペラシオン:AOP パシュラン・デュ・ヴィック・ビル

日本でも多くの店で見かけるようになったヴィニョーブル・ブリュモン。南西部の代表的な醸造家の1人であるアラン・ブリュモン氏は、手掛けるワインの質の高さを評価され、圧倒的な実績を残してきている。
そのブリュモンが手掛ける名ワインの1つがシャトー・ブースカッセだ。この白ワインは土着品種のプティ・クルビュとプティ・マンサンを用い、エレガント、ドライかつエキゾチックな香りをまとう。

ドメーヌ・デュ・タリケ レゼルヴ


つくり手:ドメーヌ・デュ・タリケ
アペラシオン:IGPコート・ド・ガスコーニュ
参考価格:18別)

ガスコーニュ地方において、白ワインをつくらせたら右に出る者はいないとも言われるタリケ。端正なミネラル感を持つ「タリケ・クラシック」は世界中で愛されている。
そのタリケが、グロ・マンサンを中心に組み立てたレゼルヴは、6カ月の樽熟成を経て、1年もの間、低温で熟成させた。桃やエキゾチックな風味の果実香は独特で、しっかりとしたボディに対して後味はすっきりしている。ガスコーニュの土壌の風味がよく出ている。

タラニ・ソーヴィニヨン


つくり手:ヴィノヴァリ
アペラシオン:IGPコンテ・トロザン
参考価格:1480円(税別)

ソーヴィニヨン・ブランを使った白ワイン。品種由来の爽やかな青草のような香りが存分に感じられる。味わいはドライさだけではなく、口の中で膨らむ果実味が心地よい。
和食の繊細な味付けにも合わせやすく、日本人好みのワイン。フランスのジルベール・ガイヤール・コンクールで金賞を受賞。

シャトー・クティネル


つくり手:ヴィニョーブル・アルボー
アペラシオン:AOPフロントン
参考価格:1580円(税別)

土着品種ネグレットを70%、その他にシラーとガメイを15%ずつ使ったロゼ。
ガメイ由来のいちごのような香りがするが、甘やかさはあまりなく、端正な味わいだ。後味にはタンニンと苦味も感じられ、全体的なバランスがきれいにまとまっている。
軽めの赤のようにも使える、料理に合わせやすいワインだ。

赤ワイン

シャトー・ブースカッセ


つくり手:ヴィニョーブル・ブリュモン
アペラシオン:AOPマディラン
参考価格:2880円(税別)

アラン・ブリュモン氏が率いるヴィニョーブル・ブリュモンの看板ワインの1つ「シャトー・ブースカッセ」。土着品種のタナを65%、カベルネ・フランを20%、カベルネ・ソーヴィニヨンを15%使用したバランス。マディランらしいしっかりとした力強いワインに仕上がっている。同時に荒さや粗雑さは皆無で、やさしく優雅で繊細さも持ち合わせる。
このクオリティが3000円ほどで味わえるのは、南西部の素晴らしさと言えるだろう。

ムーンサン


つくり手:プレモン・プロデュクトゥール
アペラシオン:IGPコート・ド・ガスコーニュ
参考価格:1690円(税別)

メルローを60%、希少品種のマンサン・ノワールを40%使用した優美なワイン。甘やかなメルローの果実味がふんわりと広がり、柔らかく滑らかなタンニンとのバランスも秀逸だ。
つくり手は、樹齢200年にもなるフランス最古の古樹の管理を任されている優良な協同組合だ。

オン・ラペル・ネグレット


つくり手:ヴィニョーブル・アルボー
アペラシオン:AOPフロントン
参考価格:1680円(税別)

土着品種のネグレットを100%使用。透明感のある外観、ピュアでナチュラルな果実味が楽しめる。香りはベリーやプルーンなどだが味わいは濃過ぎず、フレッシュさと飲み応えが両方楽しめるミディアム〜フルボディの1本だ。

シャトー・ド・ケイ


つくり手: ヴィノヴァリ
アペラシオン:AOPカオール
参考価格:3560円(税別)

カオール近郊にある18世紀様式のシャトーは、1974年からデンマーク王室の所有となった。ラベルには、「デンマーク王子のワイン」と書かれている。
カオールらしい力強さというより、深遠さと奥行きが楽しめるエレガントな味わい。滑らかでしっかりとしたタンニンが、全体のボリュームをバランスよく支えている。

シャトー・ド・オート=セール グラン・ヴァン


つくり手:ジョルジュ・ヴィグルー
アペラシオン:AOCカオール
参考価格:5100円(税別)

中生代キンメリッジ期の粘土石灰質土壌に育まれたマルベックは、その優雅さが十分に引き出され、力強くも滑らかな味わいのワインとなっている。
アメリカの専門誌「ワイン・エンスージアスト」のエディターズ・チョイスに選ばれるなど、各方面で高評価を得る。

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About the author /  Yayoi Ozawa
Yayoi Ozawa

フランス料理店経営ののち、ワインとグルメ、音楽を専門とするライターへ転身