コラム

トップソムリエが感じた“日本ワイン”の魅力とは? 親しみやすく穏やか、多様な品種も魅力

サントリーワインインターナショナルは2019年4月12日、東京・日比谷公園で開催された「第5回 日本ワイン祭り~JAPAN WINE FESTIVAL~」にて、トークイベント「アジア・オセアニア最優秀ソムリエ 岩田渉氏が語る、日本ワインの魅力」を開催した。

登壇したのは、同年4月1日に「サントリーワイン・ブランドアンバサダー」に就任したソムリエの岩田渉氏と、2018年3月まで登美の丘ワイナリーの所長を務め、現在はサントリーワインインターナショナル生産研究本部長の渡辺直樹氏だ。

トークイベントの様子

1989年生まれの岩田氏と、サントリーに入社して約30年の渡辺氏。ソムリエとつくり手という立場だけでなく、世代も異なる二人だが、共通項であるワインについて語るイベントは、笑顔があふれるものとなった。

ワインは風土

ビールやウイスキーのメーカーとして知られているサントリーだが、ワインづくりに関しても、歴史あるつくり手だ。登美の丘ワイナリーは今年で開園110周年を迎え、グループ会社の岩の原葡萄園は来年創業130周年を迎える。他にも塩尻(長野県)や、国外ではフランス、ドイツでもワインづくりを行っている。

ソムリエの岩田渉氏(左)と登美の丘ワイナリー前所長の渡辺直樹氏(右)

渡辺氏は、登美の丘ワイナリーでワインづくりに取り組む中で、「ワインは風土が生み出すもの」だと実感するようになったと言う。

フランスのボルドーでワインづくりを学び、登美の丘ワイナリーに戻って数年後、カベルネ・ソーヴィニヨンが着色しないなど、うまくぶどうが育たない年が続いた。そこで渡辺氏は、穴を掘って土を徹底的に調べ、土地を理解した上で、ぶどう栽培を見直したそうだ。

渡辺氏は、「いいワインをつくるには、風土に合ったぶどう栽培が必要。ワインをつくればつくるほど、自分も風土の一部だと感じるようになった」と言う。

日本の風土が生み出すワインと和食との相性の良さは、日本ワインの魅力にもつながっている。「日本の食材、特にうま味や繊細さを、同じ土地で育ったぶどうでつくられた日本ワインが引き出してくれる」と語った。

トップソムリエが語る「日本ワインの魅力」

サントリーワイン・ブランドアンバサダーを務める岩田氏は、2018年10月に京都で開催された「第4回A.S.Iアジア・オセアニア最優秀ソムリエコンクール」で優勝したソムリエだ。

そんなトップソムリエである岩田氏は、日本ワインの魅力を3つ挙げている。

親しみやすさと穏やかさ

いい意味で派手さがなく、その土地に対して率直で実直なワインが、飲みやすさにもつながっていること。飲みやすさには、多くの人を魅了する力があり、日本にしかない魅力の1つだと言う。

日本ワインの多様性

北は北海道から南は九州まで、各地でつくられている日本ワイン。日本産のシャルドネやカベルネ・ソーヴィニヨンといった国際品種が、世界のコンクールで金賞を受賞することが増えてきた。また、日本には和食とよく合う固有品種がある。和食と合わせるのは日本酒というイメージが強いが、甲州やマスカット・べーリーAは和食との相性も良い。世界に和食が広まっていく中で、日本の品種が海外で育てられるようになればいいと語った。

豊かな将来性

岩田氏は、日本のワイナリーを訪問するたびに、日本の栽培家や醸造家の情熱に触れてきた。「これからも日本ワインは、ユニークで面白いものができていくのではないか」と感じているそうだ。

サントリーワイン・ブランドアンバサダーとは

岩田氏は2019年4月1日にサントリーワイン・ブランドアンバサダーに就任。サントリーワイン・ブランドアンバサダーとは、国産ぶどうを100%使用する日本ワインなどの魅力を発信することを役割としている。

順調に見える日本のワイン産業だが、消費者の多くが50代以上で、若い世代がワインに触れる機会はさほど多くない。これから日本のワイン産業を支えていく若い世代に向けて、ワインの飲み方や楽しみを発信していく必要がある。

サントリーワインインターナショナル代表取締役社長の宮下敏氏は、メーカーとしてできない部分を、サントリーワイン・ブランドアンバサダーに担ってほしいと期待しているそうだ。

岩田氏を起用した理由としては、まだ20代でありながら世界レベルの経験があること。そして、日本ワインだけでなく、ワイン産業全体を盛り上げていきたいという強い熱意が感じられたからだと言う。

岩田氏

トークイベントの直前に開かれた就任記者発表で、岩田氏は「海外でワインが飲まれているシーンや若い世代の活躍でワイン市場が活性化しているのを見ると、日本でも同じようなムーブメントを起こせるのではないかと感じている。誰もが知るサントリーのもとで、つくり手と消費者の“懸け橋”になりたい。持てる力を100%発揮して、活性化していきたい」と決意を口にした。

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