コラム

泊まれるワイナリー! シードルづくりに力を入れるアンワイナリー ~NAGANO WINE FES in 東京2020

2020年2月9日に7回目の開催を迎えた、「NAGANO WINE FES in 東京2020」。同イベントでは、長野県内にある33のワイナリーが一堂に会した。

長野県の勢いが感じられる新ワイナリーの1つが、小諸駅から徒歩5分の場所にある「アンワイナリー」だ。2018年12月に誕生した新しいワイナリーだが、既に受賞歴もある。

アンワイナリーおすすめの3本

アンワイナリーが今回のイベントで提供したのは、シードル2本とロゼ1本。「飲み手とつくり手の距離が近く、日常的に飲んでいただけるようなシードルやワインづくり」がコンセプトだという。

・「アンシードル(ドライ)2019」参考小売価格1800円(税別)
・「アンシードル(セミスウィート)2019」参考小売価格2000円(税別)
・「ピノロゼ(SAKURA)2018」参考小売価格3000円(税別)

それぞれのおすすめポイントを、アンワイナリーを運営するプラスフォレストの代表取締役である松村清美さんに伺った。

受賞歴もあるシードル2本

伐採寸前のりんご畑との出会いからシードルづくりをスタートさせたというアンワイナリー。現在では生産量も増えて、小諸市の契約農家から仕入れたりんごも原料にしている。シードルは、アンワイナリーのラインアップの中心だ。

右が「ドライ」、左が「セミスウィート」。それぞれフルボトル(750ml)のほか、ハーフボトル(375ml)もある

●「アンシードル(ドライ)2019」

小諸産のふじと紅玉を使用した辛口のシードル。食事に合うように、酸味にこだわってつくったという。2018年ヴィンテージは、「第3回 フジ・シードル・チャレンジ2019」で金賞を受賞している。アルコール分は7%。

《ワイナリーからのおすすめポイント》
「くせが少なく、りんごの香りと酸味を味わえる爽やかなシードルです。しっかりとした酸味と泡は、どんな料理にも合わせやすく、食中酒におすすめです」

●「アンシードル(セミスウィート)2019」

こちらも小諸産のふじと紅玉を使用している。やや甘口。アルコール分はドライと同じ7%だ。辛口のものが多いナガノシードルの中で、セミスウィートに仕上げた。松村さんは「甘さが爽やかなことを気に入っていただけました」と、今回のイベントで手応えを感じたそうだ。

《ワイナリーからのおすすめポイント》
「りんごの爽やかな香りと甘みで、一口飲むと笑顔になるシードルです。飲みやすいため、お酒が苦手な方にも喜んでいただけます。食前酒におすすめです」

ピノ・ノワールを使用したロゼワイン

●「ピノロゼ(SAKURA)2018」

収穫したピノ・ノワールを凍らせてから搾汁したワイン。凍らせることで、より甘みの強い果汁を取り出すことができる。NAGANO WINE FES in 東京での評判も良く、2度も飲みに来る来場者もいたそうだ。

《ワイナリーからのおすすめポイント》
「爽やかな辛口ですが、甘味とコクがあり、余韻を楽しめます。きれいな桜色が出ましたので、『SAKURA』と名付けました。アンワイナリーの初リリースワインです。桜の季節にリリースする定番ワインになりそうです」

ナガノシードルの魅力とは

長野県産のりんごの果汁を使用し、長野県内で醸造されるナガノシードル。長野県内ではワイナリーやサイダリー(シードル専門の醸造所)、酒造や農家がナガノシードルを生産・販売している。

ナガノシードルについて、松村さんは次のように語ってくれた。

「おいしく、新鮮なりんごを原料にしているところが魅力です。特に寒暖差があり、日照時間が長い東信地区では、糖度が高く、身の締まったりんごが収穫できるので、おいしいシードルがつくれます。

りんご畑は後継者不足です。でも、りんごの木が伐採されるのを止めたい、りんごを活用したいという想いがあり、シードルづくりがさかんになってきました。

いろいろなワイナリーでシードルがつくられたり、シードル専門のワイナリーができたりしています。おいしいシードルをつくろうと、お互いに切磋琢磨していることも良いと思います。

シードルは、ワインよりアルコール度数が低くてグルテンフリーなため、ワインよりも気軽に飲めると、女性や健康志向の方を中心に人気が高まっています。シードルを飲む習慣が日本でも根付いて、文化になっていくことを願っています」

泊まれるワイナリー

小諸駅の近くにあるアンワイナリーは、シーズンになると醸造している様子をガラス越しに見ることができる。実は、アンワイナリーは2階が客室になっており、泊まれるワイナリーでもある。

畑作業や収穫、ワインやシードルの醸造作業で、家族や友人が遠方から来て手伝ってくれることもあり、1日1組(2~5名まで)限定で宿泊できるようにしたそうだ。気軽に飲みに来てもらえるよう、ワイナリーは駅から徒歩5分。立地の良さもあって、今では一般やインバウンドの宿泊客も多い。小諸だけではなく、周辺にある軽井沢や上田などでの観光、ワイナリー巡りも楽しめる。

古民家を改築した建物は、宿泊客から「居心地がいい」との声も上がっている。松村さん自身も、「ユニークな宿泊をされるお客様とのさまざまな会話を、ホスト側も楽しんでいます」と話していた。

自社栽培のワイン用ぶどう(ピノ・ノワール、シャルドネ、ムニエ)を利用して、スティルワインを手掛けているアンワイナリーだが、今後はスパークリングをつくっていくという。「飲んだ方が笑顔になるスパークリング(発泡酒)を提供していきたい」と、松村さんは話してくれた。

2年目のアンワイナリーは、順調に進化を続けていきそうだ。

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