コラム

北海道の「NIKI Hills ワイナリー」が廃棄野菜を有効活用! 天然素材の優しいクレヨンに

食べられるのに、形が悪かったり、虫食いがあったりして、見た目が悪いというだけで捨てられてしまう廃棄野菜。その量は年間200万tともいわれ、売られることも食べられることもないという、実に切ない運命にある。

そんな廃棄野菜を有効活用しようと、新たな取り組みを始めたワイナリーがある。それが2019年7月に北海道余市郡仁木町にオープンした複合型ワイナリー「NIKI Hills ワイナリー」だ。

NIKI Hills ワイナリーの取り組み

仁木町の主な産業は農業。北海道では近年、台風や豪雨などの自然災害が増え、農作物への被害が深刻化している。自然災害による損傷や劣化で出荷できなくなった農作物は、現状では産業廃棄物として廃棄されている。

このような事態は、農家にとって解決すべき喫緊の課題となる。収益が減るだけでなく、出荷できない農作物は有料で廃棄することになるため、経営に大きく響いてしまうからだ。

そこでNIKI Hills ワイナリーは、北海道の廃棄農作物を有効活用し、環境に優しく消費者にも喜ばれる商品を開発することにした。これまでにも、準限界集落となった仁木町での地方創生活動の一環として、ワインやジャム、ジュースなどをつくってきたNIKI Hills ワイナリーが、今回、廃棄農作物から生み出したのはクレヨンだ。

口に入れても安全なクレヨン

NIKI Hills ワイナリーが開発した「NIKI Hills natural crayon」は、北海道の農家や食品加工事業者などから提供された廃棄農作物でつくられている。口に入れても安全な天然素材を使用しているので、小さな子どもやお年寄り、化学物質過敏症に悩む人など、誰もが安心して使える。

パッケージデザインは、NIKI Hills ワイナリーの風景や北海道の自然をイメージしたものにした。また、クレヨンの色名にワイナリーの食卓をイメージさせるフランス料理や、NIKI Hills ワイナリーがつくるワインの名前を使い、商品の世界観を表している。

クレヨンの色は10色。HATSUYUKI(オフホワイト)、Propose~ROSE(ロゼ/ピンク)、さくらんぼのコンポート(薄桃色)、ふきのとうのベニエ(黄緑)、キャロット・ラペ(オレンジ)、アロニアのコンフィチュール(紫)、ハスカップとブルーベリーのマドレーヌ(濃紺)、紅くるりのエテュペ(紅色)、ブロッコリーのアミューズブーシュ(緑)、シーベリーのジェラート(黄色)となっている。

NIKI Hills natural crayonはNIKI Hills ワイナリーで購入できる。NIKI Hills ワイナリーは、同クレヨンの売上の一部を義援金として仁木町に寄付し、北海道の農家の復興に貢献していく。

【関連リンク】
北海道のワイナリーが作った「やさしいクレヨン」~SDGsを目指した取り組みとは~

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