ユニオン・デ・グラン・クリュ・ド・ボルドー(Union des Grands Crus Bordeaux:UGCB)は2023年11月20日、「ヴィンテージ2020 トレード・テイスティング」を開催した。
当日は、東京都港区の八芳園を会場に、UGCBに加盟する85シャトーが集結。コロナ禍を経て、今年は4年ぶりに生産者も来日し、“当たり年“となった自慢のヴィンテージ2020をそれぞれ披露した。
また、UGCB創立50年を記念して、1996~2020年の各ヴィンテージを飲める特別試飲会も実施した。業界関係者やゲストを招いて、ボルドーワインの魅力を広めた。
ユニオン・デ・グラン・クリュ・ド・ボルドーとは
UGCBは、フランス南西部のボルドー地方でつくられるワインの普及を目的に、1973年に設立された生産者協会だ。格付けシャトーを中心に、現在131の会員で構成され、世界各国で毎年、最新ヴィンテージのプロモーションを積極的に行っている。
名誉会員には、サン・テミリオンのシャトー・シュヴァル・ブラン(Château Cheval Blanc)、ポイヤックのシャトー・ムートン・ロスチャイルド(Château Mouton Rothschild)、ソーテルヌのシャトー・ディケム(Château d’Yquem)といった名門シャトーが名を連ねる。
ボルドーワインのヴィンテージ2020は傑出した出来
ボルドーワイン委員会(CIVB)が発表した「2020年ヴィンテージ収穫状況」によると、2020年は新型コロナウイルス感染症や天候被害などにより、ぶどうの収穫量は下がった。
しかし、コロナ禍での行動制限がフランス国内に広がるなかで、農作業は例外として許可されたため、栽培管理の作業が滞るようなことはなかった。
さらに、ボルドー大学醸造学部が定義した「偉大なヴィンテージの条件」のうち、下記の2つをクリアしたため、高品質なぶどうが育つには理想的な環境だったと言える。
・開花時期が早く、受粉から結実が迅速かつ均質に進んだ
・色付きの時期の降雨量が少なく、ぶどうに十分な水分ストレスを与えることができた
その結果、コロナ禍や天候被害などの困難を乗り越えて生み出されたヴィンテージ2020は、ボルドーワインの歴史に名を残すほどの素晴らしい出来となった。
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実際に、各シャトーに2020年について聞くと、「近年まれに見る当たり年」との声が多かった。
トレード・テイスティングは、そんな“偉大なヴィンテージ”を求めて多くの来場者が集まり、大盛況に終わった。次回からは、参加したシャトーの中から、生産者とそのおすすめワインをいくつか紹介する。