南アフリカワイン協会(Wines of South Africa:WOSA)は2023年10月17日、年に一度の南アフリカワインの大試飲会「DISCOVER SOUTH AFRICA TOKYO 2023」を開催した。同日に2回開催したマスタークラスは、申し込み多数により抽選となるほどの大盛況となった。
同試飲会のレポートでは、19社のインポーターと6社の未輸入ワイナリーが一堂に会した中から、いくつかのワイナリーとそのワインをピックアップしてご紹介する。
第3回目となる今回は、キャップ・クラシック(シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵でつくられたスパークリングワイン)のパイオニアであるシモンシッヒ(Simonsig)だ。
シモンシッヒとは
南アフリカの銘醸地ステレンボッシュにある、シモンシッヒ。1971年、創業者のフラン・マラン氏によって、南アフリカで最初に瓶内二次発酵のスパークリングワイン(キャップ・クラシック)を生み出したつくり手だ。
フラン氏の息子であるヨハン・マラン氏は、1992年に14の生産者が設立したキャップ・クラシック協会の初代会長を務めている。協会はキャップ・クラシックの品質向上を目指し、現在では100以上のワイナリーが参加するほど発展を遂げた。
シモンシッヒの代表ワイン
DISCOVER SOUTH AFRICA TOKYO 2023に出展されていたシモンシッヒの代表的なワインは、「カープスフォンケル・ブリュット 2020」だ。
試飲会に来日していた、“南アフリカ最高峰”とも呼ばれるジャーニーズ・エンドのクリスティン・アンドリュース氏から、「南アフリカのキャップ・クラシックを知りたいなら、味わっておいた方がいい」と紹介されたワインでもある。
このワインは、当日に開催されたマスタークラスのテイスティングでも提供された、南アフリカを代表するキャップ・クラシックだ。
テイスティングコメントは、マスタークラスで講師を務めたソムリエの中村僚我氏によるもの。
シモンシッヒ MCC カープスフォンケル・ブリュット 2020
全て手摘みで収穫したぶどうの全房を、クリアな果汁が取れる空圧圧搾機で圧搾。ステンレスタンクと、シャルドネの一部を古いフレンチオーク樽で発酵して複雑さを出している。酸を柔らかくするマロラクティック発酵(MLF)はしていない。キャップ・クラシックの規定よりも長い20カ月間、澱と共に熟成させている。
【テイスティングコメント】
フルーツの香りがしっかりある。熟したリンゴや甘みのある熟したレモン、瓶内二次発酵由来のブリオッシュやチーズの皮の香りがある。MLFをしていないため酸はあるが、フルーツの熟した味わいが主体なので丸みを感じる酸となっている。澱と共に熟成させたことで、トーストやブリオッシュの味わいもある。
Simonsig MCC Kapesvonkel Brut 2020
アルコール分:12.0%
品種:シャルドネ51%、ピノ・ノワール47%、ピノ・ムニエ2%
生産地:ウェスタン・ケープ
参考小売価格:4400円(税込)
ケープワインショップで見る
年末には完売が見込まれているので、気になる人は早めに購入した方が良さそうだ。
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