南アフリカワイン協会(Wines of South Africa:WOSA)は2023年10月17日、年に一度の南アフリカワインの大試飲会「DISCOVER SOUTH AFRICA TOKYO 2023」を開催した。同日に2回開催したマスタークラスは、申し込み多数により抽選となるほどの大盛況となった。
同試飲会のレポートでは、19社のインポーターと6社の未輸入ワイナリーが一堂に会した中から、いくつかのワイナリーとそのワインをピックアップして紹介してする。
第5回となる今回は、高品質のキャップ・クラシック(シャンパーニュと同じ瓶内二次醗酵のスパークリングワイン)のつくり手として日本でも知名度の高い、グラハム・ベック・ワインズ(Graham Beck Wines)だ。
グラハム・ベック・ワインズとは
南アフリカのネルソン・マンデラ氏、アメリカのバラク・オバマ氏が、それぞれ大統領に就任した際に、祝杯のために選んだのが、グラハム・ベックのキャップ・クラシックだ。
醸造長はピーター・フェレイラ氏。彼のスパークリングワインへの愛情の深さは、「泡を飲み、泡を食べ、そして泡を吸って生きているんだ」という彼の言葉からうかがい知ることができる。現在は、100以上の生産者が参加するキャップ・クラシック協会の2代目会長を務め、シャンパーニュに敬意を払いながらも、南アフリカならではのスパークリングワインづくりを目指している。
生産地は、内陸のロバートソン。キャップ・クラシックが最もつくられているのはステレンボッシュだが、ロバートソンは南アフリカで最も広く石灰岩が広がる、素晴らしいシャルドネの産地だ。また、日光量が豊富でありながら、夜は日中よりも気温が20℃ほど下がるため、ぶどうは酸をキープしたままゆっくりと成熟できる。
グラハム・ベック・ワインズはクオリティー面でも厚く信頼されており、生産量も多いため、現地ではスーパーのワイン売り場や街のリカーショップでも扱われ、広く愛されているという。
グラハム・ベック・ワインズの2本のワイン
DISCOVER SOUTH AFRICA TOKYO 2023で出展されていた2本のワインをご紹介する。
テイスティングコメントは、輸入元のモトックス(Mottox)によるもの。
グラハム・ベック ブリュット ブラン・ド・ブラン 2018
「インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション(International Wine & Spirit Competition:IWSC) 2014」で「最優秀ボトル発酵スパークリングワイン」を受賞した実績を持つ、南アフリカで最も受賞歴があるキャップ・クラシックの1つ。50%をシャンパーニュ樽(新樽率5%)、残りをステンレスタンクにて発酵後、5カ月間熟成させている。瓶内二次発酵は、既定の12カ月よりも長い、50カ月行っている。
【テイスティングコメント】
濃厚で心地良いイースト香が漂い、ライムの爽やかなノーズが立ち上がります。細かいムース状のクリーミーな泡が弾け、長く続くエレガントなフィニッシュを持つ美しい味わいです。
Graham Beck Brut Blanc de Blancs 2018
アルコール分:12.0%
品種:シャルドネ100%
生産地:ロバートソン
参考小売価格:4675円(税込)
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グラハム・ベック ウルトラ ブリュット 2017
ドザージュ(補糖)をせず、果実とテロワールの実力を引き出した1本。ごまかしが利かないつくりのため、厳選された果汁を使用し、85%をステンレスタンク、15%をシャンパーニュ樽(旧樽のみ)にて発酵後、5カ月間熟成させている。瓶内二次発酵は、「グラハム・ベック ブリュット ブラン・ド・ブラン」よりさらに長い62カ月だ。
【テイスティングコメント】
熟したかんきつ類や白桃、オレンジの花のアロマを持ちます。ブリオッシュや蜂蜜香も随所に現れ、非常にドライなスタイルのスパークリングワインです。爽やかな果実味と弾ける泡も魅力です。
Graham Beck Ultra Brut 2017
アルコール分:12.5%
品種:シャルドネ67%、ピノ・ノワール33%
生産地:ロバートソン
参考小売価格:6105円(税込)
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