南アフリカの国内外で高い評価を受けるワイナリー、マリヌー(Mullineux)。2023年11月28日、創業者の1人であるクリス・マリヌー氏が来日し、輸入元のモトックス(Mottox)主催でテイスティングセミナーを開催した。
今回はマリヌーのワインの中から、トップキュヴェ「シングルテロワール」シリーズの「シスト シラー 2021」について紹介する。
「シングルテロワール」シリーズ
マリヌーのトップキュヴェで、畑ごと、異なる土ごとにつくっているシリーズ。「シスト シラー」の他に「アイアン シラー」「グラニット シラー」もあるが、生産量が少ない上に、世界各国からの需要が高いため、日本にはほとんど入ってきていない。
それぞれの土壌の説明は、レポート②で解説しているので、併せて参考にしてほしい。
【関連記事】
南アフリカの銘醸地スワートランドとは~「マリヌー生産者来日セミナー」レポート②
シスト シラー 2021
シスト土壌はぶどうの根が深く張れないため、水分の保湿力が一切ない。乾燥した年でもカバークロップで炭素を土に与えることで、水分を土が蓄えてくれるので、安定して収穫できる。
タイプ:赤・フルボディ
品種:シラー100%
土壌:シスト土壌
希望小売価格:1万7700円(税別)
【クリス・マリヌー氏のコメント】
3つのシングルヴィンヤードの中で、最も熟成が長い。ゆっくり熟成し、熟成ポテンシャルが高い。
最も収穫量が少なく、ぶどうの粒も小さいため、自然な凝縮感が生まれる。タンニン成分も強い。ダークフルーツやブルーの花の香りがある。過酷な環境だが、太陽の力を借りるので黒い果実味が出てくる。ベルベットのようなチャーキーなタンニンが、スワートランドらしさを表現している。
南アフリカのマリヌーについて、クリス・マリヌー氏によるセミナーの内容を5本の記事で紹介した。国際的に評価の高いマリヌーのワインは、スワートランドへの情熱と確かな知識、そして技術でつくられたものだと実感できた。マリヌーのワインを手に取るきっかけになり、楽しむ手助けになると幸いだ。
【関連記事】「マリヌー生産者来日セミナー」レポート
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②南アフリカの銘醸地スワートランドとは
③南アフリカを代表するマリヌーのエントリーワイン「クルーフ・ストリート」の2本
④南アフリカを代表するマリヌーのフラッグシップワイン「シグネチャー」の3本