コラム

本当にワインだけ!? 赤ワインの濃淡を利用して描かれた絵が幻想的過ぎる!

カナダのナイアガラ地域で生産されるワインだけを利用して、数々の絵を生み出しているアーティストがいる。

それが彼女、Melissa Proudlockさんだ。

彼女がワインを使って生み出す味わいのある作品の数々と、ワインで絵を描く意外な理由を紹介したい。

アルゴンキン州立公園にある湖

使用品種:バコ・ノワール

ワインで描かれたワイン樽

使用品種:ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、バコ・ノワール

デヴィッド・ボウイ

使用品種:メルロー、アマローネ

ぶどうの房

使用品種:ピノ・ノワール、カベルネ・ソーヴィニヨン

ショアライン

使用品種:水面はバコ・ノワール、ハスや陸地はメルロー、ピノ・ノワール

マルハナバチ

使用品種:花はガメイ、マルハナバチはシラー、背景や影はピノ・ノワール

こんなホラーな作品も

今年のハロウィンには、こんなホラーな作品も公開されている。ワインの複雑な赤味が、ホラー映画のキャラクターたちにぴったりだ。

使用品種:ピノ・ノワール、カベルネ・ソーヴィニヨン、バコ・ノワール、メルロー、アマローネ

品種によって変わる色

彼女の作品には、どのぶどう品種を使って描いたのかが記載されている。品種によって、色合いや風味は全く変わるようだ。

こちらの絵を見ると分かりやすいだろう。左はメルロー、真ん中はピノ・ノワール、右はバコ・ノワールが使われている。

完成までに20~30時間

ひとつの作品を完成させるのにかかる時間は、およそ20~30時間ほどだという。夜の楽しみの時間として、制作をしているそうだ。

それほどの時間がかかる理由は、彼女の制作工程を見るとよく分かる。

ワインは品種によって分けられ、冷蔵庫で保存されている

This is the top shelf of my fridge….might need to get a mini fridge just for the wne…

Wine Painterさん(@melissaproudlock)が投稿した写真 – 2015 4月 7 6:31午後 PDT

使うのは細い筆のみ

Close to finishing this one so last progress photo. #vinelandestates #paintingwithwine

Wine Painterさん(@melissaproudlock)が投稿した写真 – 2014 12月 8 7:45午後 PST

丁寧に色を重ねていく

New painting in progress. My little bumblebee using Shiraz wine. #paintingwithwine #shiraz #wine #bumblebee

Wine Painterさん(@melissaproudlock)が投稿した動画 – 2016 4月 9 6:54午後 PDT

ワインで絵を描く理由

なぜProudlockさんは、ワインにこだわって絵を描いているのだろうか。

実は彼女、グラフィックデザイナーとしてワイナリーで働いているのだそうだ。ワインに囲まれている職場なら、「ワインの色の違いを利用して絵を描こう」という発想にも納得だ。

また、彼女には色覚異常があり、赤と緑を判別しにくい。そのため普段から、自分のデザインしたものの色合いが正しいかどうか不安に感じているそうだ。しかし、ワインだけで描けば、色を間違えることがないのも魅力だと明かしている。

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About the author /  鵜沢 シズカ
鵜沢 シズカ

J.S.A.ワインエキスパート。米フロリダ州で日本酒の販売に携わっている間に、浮気心で手を出したワインに魅了される。英語や販売・営業経験を活かしながら、ワインの魅力を伝えられたら幸せ