コラム

代表的な赤ワインの味・香りを10項目5段階で採点――カベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワール、メルロー、シラーなどの違いをチェック!

前回のコラム「白ワインのフレーバー総まとめ」に続き、今回はその赤ワイン版をお届けしたい。

白ワイン同様、赤ワインも品種によってさまざまなフレーバーがある。海外のワイン情報サイト「Wine Forry」によると、赤ワインのフレーバーは主に下記AからJの10のグループに分かれるそうだ。

赤ワインの主なフレーバー

A 赤い果実(チェリー、イチゴ、クランベリー、ラズベリー、スモモなど赤い果物)
B 黒い果実(カシス、ブラックベリー、ブルーベリーなど黒い果物)
C 花(バラ、ジャスミン、ライラック、スミレなど)
D 草(芝生の青臭さ、ハーブ、薬草など)
E コショウ、スパイス
F 土臭さ
G ベーキングスパイス(シナモン、ジンジャー、ナツメグなどをブレンドしたスパイス)&バニラ
H 革のような風味
I 渋味
J ボディ(軽め:ライトボディ~中間:ミディアムボディ~重め:フルボディ)

Ghost glass

そこで同サイトのインフォグラフィックを元に、主要な赤ワイン用品種16種に関して、それぞれのフレーバーがどれくらい感じられるかを5段階のレベルでご紹介していこう。

自分のワインの好みをあらためて知るとともに、いつもと違った新しい銘柄探しの参考にしてほしい。

フレーバーのレベル

レベル5:際立っている、はっきりとわかる
レベル4:認識できる
レベル3:存在しているのがわかる
レベル2:いくぶん感じられる
レベル1:かすかに感じる
レベル0:感じない
(ボディに関しては、5:重め=フルボディ~1:軽め=ライトボディ)

Original Source: Wine Flavor Profiles of Red Wines | Wine Folly

●カベルネ・ソーヴィニヨンの味・香り
赤果実:3、黒果実:5、花:2、草:4、コショウ:3、土:3、ベーキングスパイス:5、革:3、渋味:4、ボディ:5
世界的に人気の高い赤ワインの代表品種。渋味が強めで、どっしりとした重厚なフルボディに仕上げられる。カシスやブルーベリーなど黒い果実やスパイス系の香りが強い。

●ピノ・ノワールの味・香り
赤果実:5、黒果実:0、花:5、草:3、コショウ:0、土:4、ベーキングスパイス:3、革:1、渋味:2、ボディ:2
フランス・ブルゴーニュ原産、栽培が難しく希少性の高い品種。渋みが少なく、イチゴやラズベリーなど赤い果物や花の優雅なアロマが特徴。熟成によってスパイス香も漂う。

●ムールヴェードル(モナストレル)の味・香り
赤果実:0、黒果実:5、花:4、草:5、コショウ:5、土:5、ベーキングスパイス:5、革:1、渋味:5、ボディ:5
スペインを代表する品種で、タンニンを多く含み、濃厚なフルボディの赤ワインになる。果物、花、草、コショウ、土臭さ、スパイスなど、非常に複雑で芳醇な香りを放つ。

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●モンテプルチアーノの味・香り
赤果実:4、黒果実:2、花:2、草:4、コショウ:4、土:3、ベーキングスパイス:1、革:3、渋味:4、ボディ:4
イタリアで多く栽培される品種で、深いルビー色が特徴。タンニンは柔らかく、イチゴやチェリーなどの赤い果実や、ナツメグなどのスパイス系のアロマをバランスよく併せ持つ。

●メルローの味・香り
赤果実:5、黒果実:3、花:3、草:2、コショウ:1、土:3、ベーキングスパイス:5、革:2、渋味:2、ボディ:3
フランス・ボルドー原産の黒ぶどう品種。酸味やタンニンが穏やかで、まろやかな口当たり。赤い果実やスパイスのアロマの中に、ほのかにプルーンなど黒い果実の香りを感じる。

●シラー(シラーズ)の味・香り
赤果実:0、黒果実:5、花:3、草:4、コショウ:5、土:3、ベーキングスパイス:4、革:3、渋味:3、ボディ:5
フランス・ローヌ地方原産で、コクのある力強いフルボディとなる。コショウなどのスパイシーな風味が強いものの、カシスなど黒い果物のアロマもしっかり主張する。

iittala Red Wine Glass

●プティ・シラーの味・香り
赤果実:0、黒果実:5、花:2、草:3、コショウ:2、土:5、ベーキングスパイス:4、革:0、渋味:4、ボディ:5
カリフォルニアの固有品種で、タンニンを多く含み、パワフルで濃厚な口当たりのフルボディに仕上がる。ブルーベリーやブラックベリーなど黒い果物や土のようなアロマが強い。

●カルメネールの味・香り
赤果実:5、黒果実:3、花:4、草:5、コショウ:4、土:2、ベーキングスパイス:3、革:1、渋味:2、ボディ:3
イタリアやチリで多く生産されている品種。深い赤果実色で、タンニンが柔らかいミディアムボディのワインとなる。赤い果実や草のアロマが強めだが、スパイスの香りも併せ持つ。

●ジンファンデルの味・香り
赤果実:4、黒果実:4、花:0、草:0、コショウ:5、土:1、ベーキングスパイス:4、革:2、渋味:2、ボディ:4
カリフォルニアを代表する品種で、濃い色調でアルコール高めのフルボディが多い。チェリーなどの果物にクミンなどのスパイスを合わせたような、複雑で強めの芳香が特徴。

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●テンプラニーリョの味・香り
赤果実:5、黒果実:2、花:0、草:4、コショウ:3、土:4、ベーキングスパイス:2、革:3、渋味:4、ボディ:4
スペイン原産の品種で、酸味がやや高めのフルボディが多い。赤い果実の香りが強めだが、草原やなめし革、湿った土のような香りも感じられ、繊細で複雑な味わいとなる。

●カベルネ・フランの味・香り
赤果実:5、黒果実:0、花:2、草:5、コショウ:2、土:5、ベーキングスパイス:1、革:0、渋味:2、ボディ:3
フランス・ボルドー原産で、渋味と酸味のバランスがよく、軽めから中くらいのボディに仕上がる。赤い果実や草原のようなフレッシュな香りと、土臭い素朴なアロマを併せ持つ。

●ピノタージュの味・香り
赤果実:1、黒果実:5、花:0、草:2、コショウ:3、土:5、ベーキングスパイス:5、革:0、渋味:4、ボディ:5
南アフリカを代表する品種。濃く鮮やかな赤色で、酸味・渋味ともに強めのフルボディとなる。ドライフルーツやスパイスなど華やかなアロマの中に、泥土のような香りも感じる。

glass and reds

●マルベックの味・香り
赤果実:2、黒果実:5、花:3、草:2、コショウ:2、土:3、ベーキングスパイス:4、革:0、渋味:2、ボディ:4
フランス南西部原産で、「黒ワイン」と呼ばれるほど深く濃い色が特徴。酸味がまろやかなミディアムボディが多い。ブラックベリーなど黒い果実の芳醇なアロマが特徴。

●サンジョヴェーゼの味・香り
赤果実:5、黒果実:3、花:0、草:4、コショウ:4、土:3、ベーキングスパイス:2、革:5、渋味:4、ボディ:4
イタリアの主要品種で、酸味と渋味がやや強めのコクのあるワインとなる。全体的に香りは控えめだが、イチゴやチェリーなどの赤い果実や革のようなアロマが感じられる。

Alessi Dressed Wood Tray, Alessi Dressed Red Wine Glasses, Garnier-Thiebaut coated cotton tablecloth

●バルベーラの味・香り
赤果実:5、黒果実:2、花:1、草:5、コショウ:3、土:5、ベーキングスパイス:3、革:2、渋味:4、ボディ:3
イタリアで主に栽培される黒ぶどう品種。タンニンが少なく、酸味が強めのミディアムボディが多い。チェリーなど黒い果実香と、田舎を連想させる土のようなアロマが特徴。

●ネロ・ダヴォラの味・香り
赤果実:4、黒果実:4、花:2、草:3、コショウ:4、土:3、ベーキングスパイス:5、革:3、渋味:4、ボディ:4
イタリア・シチリア島原産で、濃い色調の濃厚なワインとなる。プラムやベリー系の香りとスパイス香を併せ持ち、酸味やタンニンが比較的穏やかで、豊かな余韻が長く楽しめる。

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About the author /  てるぬま りえ

2児の子育てライター。妊娠・授乳期のアルコール断ちもついに解禁し、最近では厳しい主婦目線で手ごろ&高品質なワインをあちこちで物色中。ワインの世界がさらに広がるようなコラムをご提案していきます。