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ワイン産業におけるサステナビリティとは? ②現状把握と今後の取り組み ~メルシャン初のマスタークラス
コラム

ワイン産業におけるサステナビリティとは? ②現状把握と今後の取り組み ~メルシャン初のマスタークラス

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発行者
株式会社バザール
編集
Wine Bazaar編集部
連絡先
お問い合わせ・プレスリリース送付

メルシャンは2022年6月21日、同社初のマスタークラス「sustainability masterclass~大橋健一マスター・オブ・ワインと紐解くサステナビリティの基本~」を開催した。
 
講師を務めたのは、マスター・オブ・ワイン(Master of Wine:MW)の資格を持ち、シャトー・メルシャン、コンチャ・イ・トロなどのブランドコンサルタントを務める大橋健一氏。企業にとってのサステナビリティとは何かという定義付けを学び、ワイン業界に応用していくため、ワイン産業における課題の提起、現状把握、今後の取り組みの提案や、国内外のワイナリーによる実際の取り組み事例などについて解説が行われた。

ワイン産業の現状を把握

連載2回目となる本記事では、前回に引き続き、第1部のマスタークラスの内容を紹介する。ワイン産業が抱える課題の現状把握として、キリンホールディングスCSV戦略部の藤原啓一郎氏が用語解説を行った。

CSV、ESGとは

近年、SDGSやCSV、ESGなどの用語を頻繁に見かけるが、これらはそれぞれ主語が異なる。

CSVは「Creating Shared Value」の略称で、主語は企業だ。企業が主体となって、環境や社会的課題に取り組み、事業価値をつくる活動のことを指す。メルシャンを含むキリングループでは、社会的課題こそがビジネスチャンスとして、2013年からCSVを経営の根幹に置き、社会的・経済的な価値を両方見出せるような領域でビジネスをしている。

では、企業にとって、CSVの領域でビジネスをするということは、どういうことなのだろうか。

例えば、地球温暖化による気候変動で農作物の不作や渇水等が起これば、それらを原料として商品をつくっている飲料業界も大きな影響を受ける。ただし、飲料業界がCO2の排出量を抑える取り組みをすることで気候変動を抑制し、それによって社会や人も災害に遭う可能性が低くなれば、飲料業界も安定的に原料を調達でき、双方にメリットがある。こういった領域でビジネスをしていく、ということである。

一方、ESGの主語は長期投資家となる。投資家にとって企業価値を判断する指標が、このESGだ。

長期投資家にとって投資先は、40年後も生き残って利益を出し続ける企業であることが重要となる。そういう企業は、環境の「E(Environment)」や社会の「S(Social)」活動を続けている。それを40年間継続するには、経営陣のガバナンス「G(Governance)」がしっかりしている必要がある。

高まる消費者のSDGsへの意識

そして、SDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標)の主語は、地球・社会・人となる。

ワイン産業におけるサステナビリティとは? ②現状把握と今後の取り組み ~メルシャン初のマスタークラス

SDGsは小・中学校、高等学校の学習指導要領に盛り込まれており、今や、大人は知らなくても子どもは知っているという状況だ。子どもや長期投資家に「SDGsを達成しているか」と聞かれる時代になっていて、企業はそのことを理解してビジネスをする必要がある。

今後の取り組みの提案

藤原氏の解説を受けて、大橋氏は、今後ワイン業界がどう対応していくべきかについて提案を行った。

消費者が求めるサステナビリティの取り組み

海外では、店で販売する野菜がどこから運ばれてきたのか、そのためにCO2をどれくらい排出したかなどを印字したものが、商品の前に提示されている。一方、日本ではそうした情報が何もない。そのため、海外から日本に移住してきた人々は、そういった情報について店や企業に問い合わせをすることになる。

先述のように、日本でもSDGsに関する教育が始まっており、これからSDGsを当たり前のこととして認識している消費者が増えていくことが予想される。そうした中で、企業がそれを無視していては、ワイン産業はサステナビリティが得られないものになってしまう可能性がある。また、消費者からサステナビリティに関して取り組んでいる企業なのか、そうではないのか、情報開示や透明性が求められるようになってきている。消費者はそれに応えられる企業の商品やサービスを選び、ひいては企業自体への評価を高めることにつながっていく。そして投資家は、そういった企業の対応を見て、投資先を選ぶ。

こうした時代の流れの中で、ワイン業界も真剣にサステナビリティについて学ぶ必要がある。学ぶだけではなく、事業戦略などにSDGsを実装しなければならない状況にある。

今、すぐにできるSDGs戦略とは

大橋氏は、まずは中・長期の持続可能な開発目標を掲げ、目先のビジョンとして捉えることが重要だと指摘する。そのためには、実装可能なことを1つからでも始めることが第一歩となる。

具体的な取り組みの1つとして、商品戦略がある。クオリティの高いワインは数多くあるが、プラスアルファの要素は必ず必要になってくる。例えば、SDGsに取り組む生産者の商品割合を何%上げていく、といった目標を設定する。これは、すぐにでも実行可能だ。

社会や消費者から高く評価されることは、各企業のサステナビリティにつながる。大橋氏は、「そうした意識が集合することで、ワイン業界全体のサステナビリティへとつながっていく」と語った

次回は、シャトー・メルシャンなど、国内外のワイナリーが行う先進的な取り組みの事例について紹介する。

【メルシャン初のマスタークラス】
ワイン産業におけるサステナビリティとは? ①課題提起

編集情報

この記事はWine Bazaar編集部が、公開情報・取材情報・商品情報を確認し、読者がワインを選びやすくなることを目的に作成しています。内容は必要に応じて更新します。

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著者 / 

大江 有起

コピーライター、雑誌の編集者などを色々経てフリーライターに。文章を書くことと、赤玉スイートワインや貴腐ワインのような甘いワインが好きです。 ワインバザールさんにてワインに興味を持ち、一般社団法人日本ソムリエ協会ワイン検定シルバー取得しました

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