コラム

フレーバードワインにはどんな種類がある? イタリア・フランスのベルモット、スペイン・ポルトガルのサングリア

醸造方法によって分かれるワインの種類について説明するこのシリーズ。最後に、日本人にはちょっとなじみの薄い「フレーバードワイン」を紹介していこう。

<参考記事>
スパークリングワインの意味・製法をチェック! シャンパンとの違いは?
「スティルワイン」に含まれるのはどんなワイン? 意味や種類、製法・製造工程を解説
フォーティファイドワインとは――意味や製造方法、3大ワインの種類を解説

The Spotted Owl

フレーバードワインとはどんなワイン?

フレーバードワインとは、スティルワインにスパイスやハーブの蒸留酒を加えたり、果実や甘味料を加えたりして風味付けした香りの強いワインのことだ。

「アロマタイズド・ワイン」「香味付けワイン」「混成ワイン」とも呼ばれている。

食前酒として楽しまれるほか、カクテルの材料とされることも多い。

日本では一般的になじみが薄いが、フレーバードワインを代表するサングリアなどは、小売店などでも目にすることが多くなった。

フレーバードワインの種類

世界にはさまざまな種類のフレーバードワインが存在する。ここでは代表的な「ベルモット」「サングリア」「グリューヴァイン」を紹介したいと思う。

Negroni (drink)

ベルモット

ベルモットは、白ワインにヨモギなどの香草やスパイスを配合したフレーバードワイン。「ヴェルムト」とも呼ばれている。知名度の高い銘柄としては「チンザノ」などが挙げられる。

ベルモットにはイタリア発祥の「スイート・ベルモット」とフランス発祥の「ドライ・ベルモット」がある。

スイート・ベルモットは、糖分を加えた甘口のワイン。カラメルを使って着色されていることが多い。スイート・ベルモットをベースにしたカクテルに「マンハッタン」がある。

一方、ドライ・ベルモットは、糖分を加えていないタイプ。これをベースにしたカクテルに「マティーニ」がある。

Dry martini

サングリア

日本でも知名度が上がってきたサングリアは、スペインやポルトガルで楽しまれているフレーバードワイン。赤ワインにリンゴやオレンジ、バナナなどの果物を漬け込んでつくる。

砂糖やハチミツ、フルーツジュースなどの甘味料のほかに、風味付けとしてブランデーやスパイスを加える。甘味があり、ワインの渋味が苦手な人も楽しめるワインとなっている。

通常、赤ワインを使用するが白ワインを使ったサングリアもあり、こちらはサングリア・ブランカと言う。

Toasting Barre Glasses

グリューヴァイン

グリューヴァインは、日本で「ホットワイン」と呼ばれている。ドイツやフランスをはじめとするヨーロッパで、クリスマスごろに楽しまれるフレーバードワインだ。

オレンジピールやシナモン、クローブなどの香辛料、砂糖やシロップを赤ワインに加えている。温めて楽しむワインで、フランスでは白ワインを用いる地方もある。

Glühwein

参考:サングリアの作り方

最後に、手軽に作れるサングリアのレシピを紹介しよう。フレーバードワインに少しでも興味を持ってくれたなら、1度、自宅で作ってみてほしい。

基本的な材料は、赤ワイン 1/2本、オレンジ 1/2個、りんご 1/2個、シナモンスティック 1本(粉末でも代用可)だ。

作り方は、まず密閉容器に赤ワインを注ぐ。オレンジとりんごは洗って皮と種を取り除いた後、適当な大きさに切る。オレンジ、りんご(皮付きでも可)の水気をふき取り、赤ワインの中に入れよう。シナモンを加えて、冷蔵庫で一晩寝かせる。甘味を加えたいときは、砂糖を加えるのもいい。材料・分量は自分の好みで変えてみると、さまざまな味わいを楽しめるようになる。

Sangria

サングリアは癖が少なく、手軽に楽しめるフレーバードワインだ。まずはお手製サングリアを楽しんでみてはいかがだろうか。

<参考記事>
おもてなしで使いたい赤・ロゼワインベースのカクテルレシピ【スパニッシュ・サングリア、レッド・ホット・サマー etc】

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