コラム

千曲川ワインバレーでつくられるワインの特徴とは ~ 解説:信州ワインバレー

信州ワインバレーについて解説する本シリーズ。今回は「千曲川ワインバレー」を取り上げていこう。

千曲川ワインバレーの気候・風土

千曲(ちくま)川の流れに沿い、上流域から下流域まで広がるエリアが千曲川ワインバレー。上田市、小諸市、千曲市、東御市、立科町、青木村、長和町、坂城町にまたがる地域だ。

降水量が少なく、昼夜の気温差は大きく、日照時間は長い。そうした気候の特徴と、水はけの良い土壌を生かした良質なぶどうが育つ土地柄だ。

とはいえ、同じ千曲川ワインバレー内でも気候条件は地域によって異なる。650~800mほどの標高の高い上流域は、長野県内でも特に冷涼な気候だ。千曲川の下流域になると、標高の低いところでは350mほどにまで下がる。北部には豪雪地帯もある一方、東御市は雨の少なさや日照量の多さが日本でも上位に入る地域だ。西部は山間地だが、中部から東部にかけては扇状地が広がり、地形もバラエティに富んでいる。

上流域ではレタスやキャベツなど高原野菜が、下流域ではぶどう、りんご、桃、アンズなどの果樹栽培も盛んだ。

千曲川ワインバレーのワインの特徴

千曲川ワインバレーでは、ソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・ノワール、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シャルドネなどの欧州系のぶどう品種を中心に、地域ごとに異なる気候や地形の条件に合ったさまざまなぶどう品種が栽培されている。甘さとしっかりした酸味のあるぶどうがこの地域の特徴だ。

Grapes

千曲川ワインバレーの代表的な生産者

2016年に軽井沢で開かれたG7交通大臣会合の歓迎夕食会にて「シャルドネ樽熟成2014」を提供した「楠わいなりー」は、日滝原(ひたきはら)で栽培された高品質なぶどうにこだわったワインづくりをしている。

2006年に委託醸造で初ヴィンテージをリリース。2011年に自社醸造を開始した。2013年2月の長野県原産地呼称管理制度官能審査会では、「メルロー2011」が審査員奨励賞を受賞した。

ワインの価格帯は2000~3000円台が中心。1000~5000円ほどの赤・白ワインを、毎年4種類ずつリリースしている。

千曲川ワインバレーのエピソード

千曲川ワインバレーでは、民間と行政の働き掛けによって、個人のワイナリーの参入が増えている。

エッセイストで画家の玉村豊男氏は2003年、東御市に「ヴィラデストワイナリー」を開設した。2015年には年間3~5万本のワインを生産できる「アルカンヴィーニュワイナリー」を建設。その施設の一部を利用して、日本初となる民間の栽培醸造経営講座「千曲川ワインアカデミー」も開講している。

醸造家・小山英明氏が2010年に設立した「リュードヴァン」(東御市)でも、体験研修やワインスクールの開催、ぶどうの苗木オーナーを募る会員制度などを展開する。ワイナリーの新規参入を考えている人たちをサポートしている。

また坂城町では、町がワイン用ぶどう栽培の農地を確保し、新規参入を促している。同町初のワイナリーとなる坂城葡萄酒醸造は、2018年に同町内にてワイナリー・レストランを立ち上げる予定だ。

【千曲川ワインバレーの代表的なワイン】
マンズワイン 小諸ワイナリー:ソラリス
ヴィラデストワイナリー:ヴィニュロンズリザーブ シャルドネ
西飯田酒造:信州の地ワイン メローズ
リュードヴァン:シャルドネ
はすみふぁーむ:千曲川ワインバレーシリーズ
楠わいなりー:メルロー、日滝原
サンクゼール:サンクゼール・シャルドネ
小布施ワイナリー:ドメイヌ ソガ

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About the author /  鵜沢 シズカ
鵜沢 シズカ

J.S.A.ワインエキスパート。米フロリダ州で日本酒の販売に携わっている間に、浮気心で手を出したワインに魅了される。英語や販売・営業経験を活かしながら、ワインの魅力を伝えられたら幸せ