ワイン初心者からも選ばれやすいワインとして、日本のワイン市場の間口を広げているスパークリングワイン。その中でも、シャルマ方式という方法でつくられるイタリアの“スプマンテ”は、日本の消費者の好みに近いものだという。
今回は、その理由やスプマンテとは何かについてまとめてみた。
日本市場にぴったりなイタリアのスプマンテ
まず、日本市場にぴったりなスパークリングワインとは、どんなものなのだろうか。2023年8月21日に開催された「メルシャン・ワインズ スパークリングワイン新商品体験会」の内容から紹介する。
実は輸出量NO.1のイタリア
フランスのシャンパーニュをはじめ、スペインのカヴァ(カバ)など、各国で生産されているスパークリングワイン。実はその中でも、世界トップの輸出量を誇るのがイタリアだ。
2018年の時点では、2位のフランスに2倍近い差をつけている。しかし、金額ベースで見ると、1位はフランスでイタリアの2倍だ。イタリアのスパークリングワインは、比較的手に取りやすい価格で、世界中で選ばれているといえる。
日本の消費者がスパークリングワインに望むもの
シャトー・メルシャンは、「日本の消費者は、スティルワインやビールなどとは異なるものをスパークリングワインに期待している」と分析。2022年にメルシャンが実施した「期待する味覚」についての調査(N=824)によると、スパークリングワインに期待する味覚イメージは次の5つだという。
・きめ細やかな泡立ち
・飲みやすい味
・食事に合う
・華やかな香り
・フレッシュな味わい
こういった特徴を兼ね備えているものとして紹介されたのが、イタリアのスパークリングワインの1つであるスプマンテだ。
スプマンテとは
フランスのシャンパーニュやスペインのカヴァは、瓶内二次発酵方式(瓶詰めした状態で二次発酵を行う)でつくられている。この方法には、複雑な味わいや香りが出てくるという特徴がある。
イタリアのスパークリングワインは、こうした瓶内二次発酵でつくられるものとはどう違うのだろうか。
タンク内で二次発酵
スプマンテとは、イタリア語でスパークリングワインのこと。微発砲ワインは、フリッツァンテと呼ばれている。
イタリアのスプマンテでは、シャンパーニュやカヴァと異なり、タンクの中で二次発酵を行う「シャルマ方式」が主流だ。
シャルマ方式では、年に1回のぶどうの収穫でベースワインをつくった上で、タンクの中で二次発酵を行い、タイミングを見て瓶詰めして出荷する。このサイクルは、最短で2カ月となる。12カ月や15カ月以上熟成させるシャンパーニュやカヴァと比べて、フレッシュでフルーティーに仕上がり、爽やかな飲み口は食事にも合わせやすい。
プロセッコとの違い
イタリア産のスパークリングワインと言えば、プロセッコも有名だ。こちらもスプマンテの1種となる。
水の都ベネチアで有名なベネト州にて、グレーラ種を85%以上使用してつくられたものがプロセッコだ。シャンパーニュやカヴァと並ぶ、3大スパークリングワインと呼ばれている。
スパークリングワインの中でも、日本の消費者の好みに合ったスプマンテ。次回は、日本向けにつくられた「メルシャン・ワインズ カンティアーモ スプマンテ」について紹介する。