コラム

創業40年、奥京都で“和食に合うワイン”をつくり続ける丹波ワイン[第5回 日本ワイン祭りレポート]

日本ワイナリー協会が主催する「第5回 日本ワイン祭り~JAPAN WINE FESTIVAL~」が2019年4月12日~14日に開催された。5回目となるイベントには、北は北海道、南は大分県まで、日本各地から49のワイナリーが参加した。その中から、特徴ある産地でワインづくりに取り組むワイナリーを紹介していきたい。

和食との相性抜群の個性的な7種類のワイン

今回紹介するのは、農産物で有名な京都・丹波で“和食に合うワインづくり”を続ける「丹波ワイン」だ。日本ワイン祭りでは、個性を感じる7種類のワインを提供していた。

京丹後産サペラヴィスパークリング

丹波ワインのブースで、一番人気となった赤のスパークリングワイン。京都で栽培したジョージア原産のぶどう品種サペラヴィを使用している。日本では唯一のサペラヴィ種を使ったワインで、酸味を特徴とし、食事とも合わせやすい1本だ。ブースでは、「たこ焼きにも合います!」というキャッチコピーが目を引いた。

価格:2200円(税別)

すめらぎ‐皇‐(赤・白)

今回のイベントでは1日40杯限定で提供され、赤・白ともに売り切れていた人気のワイン。和食との相性を追求した、2019年の新商品となる。

赤はメルロー、ブラッククイーン、マスカット・ベーリーAを使用。果実香と酸味のバランスのよさが特徴だ。きんぴらごぼうや赤身魚の煮つけ、赤身魚のお造りなどの醤油ベースの料理と特に相性がよい。白は、シャルドネと甲州を使用。こちらも果実香と酸味のバランスが良く、魚介類を中心とした和食全般に幅広く合わせやすい1本になっている。

価格:各1800円(税別)

小式部-koshikibu-(赤・白)

「すめらぎ‐皇‐」と同じく、2019年の新商品。“控えめながら料理に寄り添う、最初から最後まで楽しめるワインをつくりたい”という思いが込められているという。

赤は、マスカット・ベーリーAとサンジョベーゼを使用。上品な果実香と程よい酸味が特徴で、和食との相性を追求した1本だ。白は、デラウェアと甲州を使用。甘さを控えた和食に合う味わいだ。イベントのブースではどちらも完売していた。白はオンラインショップでも販売が終了しており、その人気がうかがえる。

価格:1300円(税別)

てぐみマスカット・ベーリーA

京都産の梅を使用したスパークリングワイン。上品な梅のアロマと高貴な味わいが特徴で、お寿司などと相性がよい。

価格:1600円(税別)

丹波ワインの黒井仁吉さんによると、3種類のスパークリングワインを制覇した人や、4杯もお代わりに来た人がいるなど、京都にワイナリーがあることを知らなかった人から常連まで、来場者からはよい反応がうかがえたという。

自然と食に恵まれた丹波のワイナリー

京都の丹波といえば、自然や農産物で有名な土地だ。丹波の黒豆をはじめ、丹波マツタケ、丹波栗、丹波牛、京都特産豚、丹波黒鶏、そして京野菜など、豊富な食材が魅力だ。

丹波ワイナリーは、1979年の創業から京都丹波に居を構えるワイナリー。創業当時から一貫して“和食に合うワインづくり”にこだわっている。また、丹波の土地に合ったぶどう品種の育成にも取り組み続けているという。

ワイナリー最寄りのJR嵯峨野線園部駅は、京都駅から快速で約35分。土日祝日のみ、丹波ワインが経営するレストラン「duTamba(デュタンバ)」の利用者に限り、JR園部駅からの無料送迎を予約できる(1日1往復、往路:JR園部駅西口 11:00発、復路:丹波ワイナリー 14:30発)。

レストランだけではなく、ワイナリーの無料ツアー(土日祝日11:30、平日11:00)や自社農園産ワインの試飲(500円~)も楽しめる。ワイナリー限定ワインもあり、京都観光+αで楽しんでみるのもよさそうだ。

前出の黒井さんは、「日本のワインと京都のワインを一度味わってほしい。ぜひ、奥京都へも足を運んでいただけたらうれしい」とコメントしている。

<ワイナリー情報>
丹波ワイン
〒622-0231 京都府船井郡京丹波町豊田鳥居野96
0771-82-2002
http://www.tambawine.co.jp/

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About the author /  鵜沢 シズカ
鵜沢 シズカ

J.S.A.ワインエキスパート。米フロリダ州で日本酒の販売に携わっている間に、浮気心で手を出したワインに魅了される。英語や販売・営業経験を活かしながら、ワインの魅力を伝えられたら幸せ