コラム

ぶどうの”声”に耳を傾けるワインづくりで注目の「ブロック・セラーズ」 ~カリフォルニアワイン・スプリング・テイスティング 2021

カリフォルニアワイン協会(CWI)は2021年3月、毎年春に実施する「カリフォルニアワイン・バイザグラス・プロモーション」に先立ち、「カリフォルニアワイン・スプリング・テイスティング 2021」を大阪(15日)と東京(17日)で開催した。新型コロナウイルス感染症の感染防止のため規模を縮小し、医師監修の下で万全の対策を講じた会場には、「ソノマ・カウンティ」をテーマ産地として460品目を超えるワインが会場に集まった。

会場に集まった多数のワインの中から、「ニューヨークセレブご用達ワイン」として注目されているブロック・セラーズ(Broc Cellars)のワインを紹介する。

ブロック・セラーズ

ブロック・セラーズは、カリフォルニア州バークレーの街中にあるアーバン・ワイナリーだ。サステナブル農法やビオデナミ農法のぶどうを購入し、除梗せずに発酵させる。ワイナリーの設備は最小限に抑え、「ぶどうが語りかけてくる声」を重視したワインづくりをしている。オーナー醸造家のクリス・ブロックウェイ氏にしかつくれないワインといえそうだ。

ぶどう本来の味わいと、ぶどうが育った環境や土壌の性質を楽しめるワインであり、うま味とナチュール感が味わえる。

ブロック・セラーズのワインは、アメリカの大手新聞ニューヨーク・タイムズに取り上げられてから注目度が高まり、今では「ニューヨークセレブご用達ワイン」と呼ばれている。

ブロック・セラーズのソノマ産ワイン

今回はブロック・セラーズのワインの中から、ソノマ・カウンティのぶどうを使用したワインを2本紹介する。

ヴァイン・スター ジンファンデル ソノマ・カウンティ2018

ニューヨーク・タイムズ紙だけでなく、漫画『マリアージュ ~神の雫 最終章~』 でも取り上げられた看板ワイン。試飲した来場者からは、「こんなジンファンデルは飲んだことがない」との反応が返ってくるという。過熟で重たいジンファンデルではなく、エレガントな1本に仕上がっている。肉料理にも合うが、だしのうま味がきいた和食との相性も良いワインだ。

Vine Starr Zinfandel Sonoma County 2018
品種:ジンファンデル100%
産地:ソノマ・バレー&ロシアン・リバー・バレー
アルコール度数:12.8%
参考小売価格:5200円(税別)

オールド・ヴァイン カリニャン アレキサンダー・ヴァレー 2017

ワインに骨格を与えるブレンド品種として重宝されるカリニャンだが、それだけでワインをつくるとやぼったくなってしまう。樹齢130年以上の古樹の味わいを引き出すことで、洗練されたきれいな味わいに仕上げている。中華料理やジビエ料理に合わせるのがおすすめだ。

Old Vine Carignan Alexander Valley 2017
品種:カリニャン85%、アリカンテ10%、ジンファンデル4%、パロミノ1%
産地:アレクサンダー・バレー
アルコール度数:12.5%
参考小売価格:5000円(税別)

手に取るだけで気分が高まるような美しいエチケットも魅力的だ。カリフォルニアの街中でぶどうの“声”を聞きながらつくられた、きれいな味わいのワインを試してみてはいかがだろうか。

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About the author /  鵜沢 シズカ
鵜沢 シズカ

J.S.A.ワインエキスパート。米フロリダ州で日本酒の販売に携わっている間に、浮気心で手を出したワインに魅了される。英語や販売・営業経験を活かしながら、ワインの魅力を伝えられたら幸せ