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歴史あるワイン産地として知られるスペインの中で、1000年以上も前から、特徴的な赤い大地にぶどう畑とオリーブ畑が広がるDO（Denominacion de Origen、原産地呼称）モンサン。この土地で、100年以上もの間ワインをつくり続けているのが、セリェル・マスロッチ（Celler Masroig）だ。
そのワインは、『ワイン・スペクテイター（Wine Spectator）』『デキャンター（Decanter）』などのワイン誌で高く評価され、現在では世界20カ国以上に輸出されている。今回は、モンサンを代表するワイナリー、セリェル・マスロッチを紹介する。
セリェル・マスロッチとは
セリェル・マスロッチは、スペイン北東部カタルーニャ州に位置するワイン生産地モンサンを拠点とする。1917年に、地元の共同組合として設立された。100年以上がたった現在では、モンサン最大のワイナリーとして、地域を代表する存在となっている。
DOモンサンの特徴
セリェル・マスロッチのあるモンサンは、地中海沿岸から内陸に30kmほど入った場所にある。DOタラゴナから独立し、2001年にDOに認定された。
夏は酷暑で冬は極寒となるため、夏と冬の気温差が大きい。また、降水量が少なく乾燥しているので、ぶどうの樹は水分を得るために地中深くに根をのばし、風味豊かな果実をつける。ぶどう畑の多くが標高350mほどの急斜面に位置する中で、セリェル・マスロッチの畑は、標高50～300mの比較的平らな土地にある。
「マスロッチ」とは、カタルーニャ語で「赤い土地」を意味する。その名の通り、乾燥した赤色粘土の土壌が目を引く。他に、ロームやスレート岩、石灰石などもあり、多様で複雑な土壌で構成されている。
セリェル・マスロッチのワイン
モンサンでは、栽培するぶどうのおよそ90%が赤ワイン用の品種であり、赤ワインの生産が主流だ。セリェル・マスロッチでも赤ワインを多く生産していて、主にモンサンのテロワールに適したカリニェナ（カリニャン）やガルナッチャ（グルナッシュ）を使用したワインをつくっている。
セリェル・マスロッチは、伝統を守りつつ、新しい技術も導入し、モンサンのテロワールを生かしたワインづくりに取り組んでいる。独創的で品質の安定したワインは高く評価され、世界20カ国以上で楽しまれている。また、地層をモチーフにした抽象画のようなワインラベルも注目されている。
おすすめワイン4選
主要品種のカリニェナを使ったワインをはじめ、オーガニックワインなども展開している。樹齢を重ねた古樹のぶどうからつくられる、風味豊かなワインを手頃に楽しめる。
セリェル・マスロッチ ロジャレット・セレクシオ・ネグラ
樹齢の高いカリニェナとガルナッチャを使用した赤ワイン。ステンレスタンクで2カ月、フレンチオーク樽で8カ月間熟成させている。深いルビー色の外観で、チェリーやミネラル、スパイスの香りを持つ。果実味や酸、滑らかなタンニンのバランスがよく、カリニェナの特徴を楽しめるワイン。
ぶどう品種：ガルナッチャ、カリニェナ
味わい：赤・フルボディ・辛口
参考小売価格： 2200円（税込）
セリェル・マスロッチ ロジャレット・ネグラ
ガルナッチャとカリニェナを使用した赤ワイン。ステンレスタンクで4カ月間、熟成させている。赤い果実やスパイスの香り、豊かな果実味を持つ。舌触りのよいタンニンを楽しめる。「サクラアワード（“SAKURA” Japan Women’s Wine Awards）」で金賞を受賞。
ぶどう品種：ガルナッチャ60％、カリニェナ40％
味わい：赤・ミディアムボディ・辛口
参考小売価格：1760円（税込）
セリェル・マスロッチ ロジャレット・ブラン
マカベオとガルナッチャ・ブランカ（グルナッシュ・ブラン）を使用した白ワイン。ステンレスタンクで低温発酵させている。トロピカルフルーツやハーブの香り、程よい酸味、ガルナッチャ・ブランカ特有のまろやかな味わいを楽しめる。
ぶどう品種：マカベオ60％、ガルナッチャ・ブランカ40%
味わい：白・ミディアムボディ・辛口
参考小売価格：1760円（税込）
セリェル・マスロッチ フォレスト・ティント・オーガニック
ガルナッチャとカリニェナ、シラーを使用した赤ワイン。カタルーニャ州の有機農業統制委員会（CCPAE）の有機認証を取得している。フレンチオーク樽で6カ月間熟成させている。赤い果実の芳醇な香りと豊かな味わいの中にスパイスを感じる。まろやかなタンニンと滑らかな舌触りが印象的な余韻の長いワイン。
ぶどう品種：ガルナッチャ50％ カリニェナ30％、シラー20％
味わい：赤・ミディアムボディ・辛口
参考小売価格：2600円
【解説：スペインのワイナリー】
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