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ワインに渋みを加える「タンニン」。よく聞く言葉だが、その正体を知っているだろうか?
何から生まれ、どういう成分なのか、タンニンの正体を知っておくと、よりワインが楽しくなるかもしれない。
タンニンの正体はポリフェノール
タンニンは緑茶や紅茶などにも含まれるカテキンの一種。カテキンはポリフェノールの中でも、アンチエイジングやガン予防、認知症予防に効果が期待できると、いくつかの研究で報告されている成分だ。
健康に良い成分だが、唯一厄介なのは鉄分の吸収を邪魔してしまうこと。もともと貧血気味の人がタンニンを多く摂取すると、貧血を急速に進行させてしまうことがあるので要注意だ。
タンニンは味覚より触覚に近い感覚
ワインに渋みを与えるタンニン。渋みを感じると口の中が収縮する感覚があることから、渋みのことを「収れん性」とも表現する。
実はタンニンが口の中に入ると、舌や口腔粘膜のタンパク質と結合して変性を起こす。この変性によって感じるのが「渋み」であるため、タンニンは味覚よりも触覚に近い感覚だ。
そのためワインの渋みを表現する言葉も、「心地よい」「シルキーな」「ビロードのような」といった肌触りを思わせる表現が使われることが多い。
タンニンは何から生まれるのか
赤ワインに多く含まれ、白ワインにも微量ながらも含まれているタンニン。なぜ種類によって差が生まれているのだろうか。
その理由は、ワインに含まれるタンニンが2つのものに由来しているからだ。
ぶどう由来のタンニン
赤ワインはぶどうの実と共に、果皮や種子も一緒に醸造される。白ワインでは取り除かれる果皮や種子にはタンニンが豊富に含まれているため、赤ワインにはタンニンが豊富に含まれているのだ。
ぶどう中のタンニンは種子に55%、梗(ぶどうの実を支えていた軸)に35%、果皮に10%含まれている。梗にも多く含まれているが、一緒に発酵させると嫌な味が付くからと、取り除かれることが多い。ただし、タンニンや酸を多く与えるために、あえて一部もしくは全部を取り除かずに残してつくるスタイルのワインもある。
ワイン樽由来のタンニン
熟成の際に使用するオーク樽にはタンニンが多く含まれている。そのため、樽熟成中にワイン内のタンニンが強化されてゆくのだ。
最近ではニューワールドを中心に、コストのかかるオーク樽での熟成ではなく、オーク材をパウダー状にしたものをワインの中に入れて熟成し、ワインのタンニンを強化する方法も採られている。
タンニンの役割
タンニンは深みや複雑さ、余韻といった影響をワインに与えることから、「赤ワインの骨格」とも呼ばれることもある。
タンニンは時間とともに他の物質と結合して、渋味は次第に弱くなっていく。そのため、「苦味の強いワイン」は一般的に若いワインだとされている。
熟成されたワインの瓶の底に沈んでいる澱(おり)の正体は、ほかの物質と結合したタンニンだ。タンニンは赤ワインの色合いにも影響を与えており、澱が多くなるほどワインの色味が薄くなる。
また、タンニンは熟成時に酸化による劣化からワインを守っている。
タンニンの豊富なワインと合う食事
タンニンの豊富なワインには、どっしりとした肉料理やオリーブオイルたっぷりの料理、ハード系のチーズや青カビチーズがお薦めだ。
ただし、塩味の強い食事はタンニンを際立たせるのでNG。また、タンニンはアクの一種なので、ほうれん草、春菊、ナスなどの夏の野菜、ごぼう、たけのこ、レンコン、山菜などのアクの強い野菜も避けた方がいいだろう。
タンニンを多く含むぶどう品種
タンニンが好きな人/苦手な人は、どんなワインを選べばいいのだろうか。最後に、タンニンの多いぶどう品種と少ないぶどう品種を紹介しておこう。
タンニンが多く含まれているぶどう品種
カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、シラー、ネッビオーロ、タナ、テンプラニーリョ、プチ・ヴェルド、モンテプルチャーノ
タンニンが少ないぶどう品種
バルベーラ、ピノ・ノワール、グルナッシュ、カベルネ・フラン、ガメイ
簡単に「タンニンが豊富」と表現してみても、ぶどう品種によってタンニンの感じ方は全く異なる。そんなところもタンニンがワインに与える魅力だと言えるだろう。タンニンの存在感を意識しながら、ワインを楽しんでみてはいかがだろうか。
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編集情報
この記事はWine Bazaar編集部が、公開情報・取材情報・商品情報を確認し、読者がワインを選びやすくなることを目的に作成しています。内容は必要に応じて更新します。
著者 /
鵜沢 シズカJ.S.A.ワインエキスパート。米フロリダ州で日本酒の販売に携わっている間に、浮気心で手を出したワインに魅了される。英語や販売・営業経験を活かしながら、ワインの魅力を伝えられたら幸せ
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