コラム

麻袋入りボトルの「シグロ」のつくり手、ボデガスマンサノス ~解説:スペインのワイナリー

数多くあるスペインワインの中で、銘醸地リオハのワインとして世界中で愛されてきた「シグロ」。布に包まれた特徴的なボトルを、目にしたことがある人も少なくないだろう。

その「シグロ」を手掛けるのは、スペインワインの銘醸地リオハのワイナリー、ボデガスマンサノス(Bodegas Manzanos、マンサノスワイナリー)だ。

ボデガスマンサノスとは

ボデガスマンサノスは、スペイン北東部のリオハに拠点を置くワイナリー。その歴史は1890年までさかのぼり、5世代130年以上にわたってワインづくりを続けている。

スペイン最高峰のワイン産地DOCaリオハ

ワイナリーのあるリオハは、スペインのDO(原産地呼称)で最高位のDOCa(Denominacion de Origen Calificada、特選原産地呼称)に初めて認定された銘醸地だ。なお、現在DOCaに認定されているのは、リオハとプリオラートの2地域のみとなる。

その範囲はエブロ川流域とその支流のオハ川沿いの地域に広がり、ラ・リオハ州、バスク州、ナバラ州の3州にまたがっている。2つの山脈があり、この山脈が夏の熱波や冬の北西風を防ぐため、温暖で雨に恵まれた気候のもとでぶどうを栽培できる。

ボデガスマンサノスのワインづくり

リオハでは赤ワインの生産が主流で、テンプラニーリョ、グラシアーノ、ガルナッチャ(グルナッシュ)、マスエロ(カリニャン)、マトゥラナ・パルダ、マトゥラナ・ティンタ、モナステル(ムールヴェードル)というリオハで認められた7種のぶどうが栽培されている。ボデガスマンサノスも例にもれず、主に赤ワインを生産。テンプラニーリョを主体に、“おいしくて飲みやすい”ワインをつくり出している。

伝統を守りながらも革新的な近代技術を取り入れ、ぶどうの栽培から醸造、出荷まで、全て自社で一括管理する。現在は、管理地を含めてリオハに950ha、スペイン北東部のDOナバラに575haを所有する。それらの畑から10ブランド60以上ものワインを提供しており、今や世界48カ国に輸出され、親しまれている。

麻袋に包まれたリオハワイン「シグロ」とは

「シグロ」は、スペインおよびリオハで最も古いワインブランドの1つとされる。もともとは、3つの家族経営ワイナリーを統合して設立されたボデガス・アヘ(Bodegas AGE)が手掛けていたが、現在はボデガスマンサノスがブランドを継承し、「シグロ」を生産している。ボトルを覆う印象的な麻袋は、手づくりされている。

シグロ テンプラニーリョ

オーク樽で12カ月、ボトルで6カ月熟成させており、テンプラニーリョ特有のブルーベリーやチェリーなどの香りと、スパイス香・トースト香が上手く調和している。果実味と熟したタンニンを感じる、まろやかでエレガントなワイン。

ぶどう品種:テンプラニーリョ100%
味わい:赤・ミディアムボディ
参考小売価格:1980円(税込)

シグロ クリアンサ オロ

40年以上の古い畑で栽培したぶどうのうち、夜明け前に収穫したフレッシュなもののみを使用。オーク樽で12カ月、ボトルで12カ月熟成させている。フルーツを煮込んだような香りと、シナモン香やトースト香を感じる。複雑な香りながら、新鮮な酸味も楽しめる飲みやすいワイン。

ぶどう品種:テンプラニーリョ60%、ガルナッチャ20%、グラシアーノ20%
味わい:赤・フルボディ
参考小売価格:3300円(税込)

シグロ クリアンサ セレクシオン

最上級のぶどうのみを使ってつくったワイン。オーク樽で12カ月、ボトルで12カ月以上熟成させている。果実の香りの中に、下草やクリーム、バニラの香りを感じられる。熟したタンニンを味わえる、エレガントでまろやかなワイン。

ぶどう品種:テンプラニーリョ60%、ガルナッチャ20%、グラシアーノ20%
味わい:赤・フルボディ
参考小売価格:3850円(税込)

シグロ レセルバ

厳選したテンプラニーリョとガルナッチャを使用してつくった赤ワイン。オーク樽で24カ月、ボトルで12カ月熟成させている。赤い果実やプルーンの香りが非常に豊かだが、その中にコショウやバニラの香りも感じる。酸味のバランスも良い。

ぶどう品種:テンプラニーリョ70%、ガルナッチャ30%
味わい:赤・フルボディ
参考小売価格:4950円(税込)

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