コラム

ボデガス・マウロ|モダン・スパニッシュのパイオニア、マリアノ・ガルシアのワイナリー ~解説:スペインのワイナリー

数多くあるスペインワインの中でも、希少なキュヴェとして世界にその名を知られる「ウニコ」。その醸造を手掛けたマリアノ・ガルシア氏が有するワイナリーの1つが、ボデガス・マウロ(Bodegas Mauro)だ。

スペインのワイン産地リベラ・デル・ドゥエロの西部に位置するトゥデラ・デ・ドゥエロにあり、スペインの伝統と土地のテロワールを融合させたモダンなワインづくりで知られる。そのワインは、『ワイン・アドヴォケイト(Wine Advocate)』や『ギア・ペニン(Guia Penin)』などの有名なワイン誌でも高く評価されている。今回の記事では、そんなボデガス・マウロの特徴やワインの魅力について紹介したい。

ボデガス・マウロとは

ボデガス・マウロは、スペインのカスティーリャ・イ・レオン州リベラ・デル・ドゥエロの西部にあるトゥデラ・デ・ドゥエロに1980年に設立されたワイナリーだ。ガルシア家がドゥエロ川流域に所有するワイナリーの1つで、他にボデガス・サン・ロマン(San Román Bodegas y Viñedos、サン・ロマン・ボデガス・イ・ビニェドス)、ガルモン・コンチネンタル(Garmón Continental)がある。

オーナーのガルシア氏は、スペインの至宝とも呼ばれるベガ・シシリアの「ウニコ」を世界的ブランドに育てた人物。ベガ・シシリアの醸造長だったガルシア氏が独立して立ち上げた意欲的なワイナリーは、モダン・スパニッシュのパイオニア的存在として評価が高い。

トゥデラ・デ・ドゥエロの特徴

自社畑のあるトゥデラ・デ・ドゥエロは、大西洋の影響を受ける大陸性気候となる。標高が高く、昼と夜の大きな気温差がぶどうに豊かな酸と凝縮感をもたらしている。土壌は石灰質で水はけがよく痩せているため、ぶどうの樹の根は地中深くまで栄養を求めて伸びていき、その土地のニュアンスをしっかり蓄える。ボデガス・マウロのワインはテロワールの表現に定評があるが、これらの特徴がそのゆえんといえるだろう。

テロワールに適したテンプラニーリョ「アラゴネス」

ボデガス・マウロの自社畑にあるぶどう品種の約90%が、テンプラニーリョと呼ばれるスペインならではの赤ワイン用品種だ。ここで栽培されているテンプラニーリョは、現地のテロワールに適した「アラゴネス」という特別なぶどうで、実は小さく果皮が厚い。

ボデガス・マウロでは、化学薬品などを使用せずにぶどうを栽培しており、厳しい条件下で育てることもあって収穫量は少ない。また、収穫は全て手摘みで行っている。

最新設備を備えたワイナリー

ボデガス・マウロは当初、17世紀の建物をリノベーションしてワイナリーとして使用。貯蔵庫は地下に備えられていた。2004年には、収穫から瓶詰めまで、全ての生産プロセスをこなせるだけの最新設備を備えたワイナリーを新設している。

独特な土壌の本質を表現したフラッグシップ「テレウス」

「テレウス」は、最良のヴィンテージで、長期熟成のポテンシャルを確信したときだけにつくるという、ボデガス・マウロが誇るフラッグシップワイン。750mlボトルとマグナムボトルを提供するが、生産量は限定されている。

テンプラニーリョを100%使用し、マロラクティック発酵をした後に、フレンチオーク樽で20カ月間熟成させる(ヴィンテージにより異なる)。チョコレートやオーク、完熟果実などの複雑なアロマも個性的で、滑らかなタンニンとナツメグなどのスパイス、果実味が調和したゴージャスな味わいに仕上がっている。

最大の特徴は、樹齢の古いぶどうが多いことで知られる、クエヴァ・ババ地区内の単一畑でつくるぶどうを使用していること。きめ細やかな砂と粘土からなる土壌がもたらす独特のテロワールが、ワインに投影されている。

実はこの土地は、所有者から見放されていた畑だったが、そのポテンシャルにガルシア氏が注目。畑を復興させ、土壌の本質をワインに表現した。フラッグシップたるストーリー性もあり、一度は味わってみたい特別な1本だ。

「ボデガス・マウロ テレウス」
ぶどう品種:テンプラニーリョ
味わい:赤・フルボディ
参考小売価格:2万5504円(税込)
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おすすめワイン

ここでは、フラッグシップ「テレウス」の他にも味わってほしい、ボデガス・マウロのおすすめワイン3本を紹介する。

ボデガス・マウロ マウロ

上質なバルサミコのような酸味と深みが融合した、この産地特有の豊かなアロマが感じられる。味わいの余韻が長く、スパイスやオークの風味が広がる洗練されたフルボディの赤ワインで、「スペインの伝統とテロワールが融合したモダンなワイン」というボデガス・マウロの特徴をしっかりと堪能できる。

ぶどう品種:テンプラニーリョ 他
味わい:赤‎・フルボディ
参考小売価格:7304円(税込)
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ボデガス・マウロ、マウロVS(バンデミア セレショナーダ)

「バンデミア セレショナーダ」とは、「ヴィンテージ・セレクション」を意味し、ぶどうの出来が良かった年の分だけつくられる特別な1本。手摘みのテンプラニーリョを100%使用し、フレンチオーク樽とアメリカンオーク樽で長期間熟成。完熟したぶどうの果皮とオーク樽の風味が融合した、ゴージャスな赤ワインだ。熟成に時間をかけているため、タンニンが滑らかに溶け込んでいて、味に深みを与えている。

ぶどう品種:テンプラニーリョ
味わい:赤・フルボディ
参考小売価格:1万7201円(税込)
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ボデガス・マウロ マウロ ゴデーリョ

土着品種のマッサルセレクション(畑の中から優れたぶどうの樹を選び、台木に接ぎ木して育てる方法)の苗木からなる、ゴデーリョを使用。砂質や石、片麻岩などの土壌のニュアンスをまといながらも、フローラルなアロマと膨らみのある果実味が味わえる白ワイン。

ぶどう品種:ゴデーリョ
味わい:白
参考小売価格:1万3412円(税込)
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About the author /  KYOKO
KYOKO

出版社勤務を経てフリーランス編集ライターに。旅、グルメ、美容を中心に執筆や編集を行っている。大酒飲みで、旅先でご当地酒を飲むのが好き。最近はビオワインにハマリ中。