カリフォルニア州の中で最も広大なAVA。1850年代のゴールドラッシュの時代にワイン醸造が始まったものの、1920年代の禁酒法により、いったんは衰退する。1970年代ごろから再びぶどう栽培が盛んになり、現在では100を超えるワイナリーがある。

シェラ・ネバダ山脈のふもとにあり、標高が高く冷涼な地域。ぶどうが育つ季節の日中は暖かく、日差しがたっぷりと降り注ぐが、夜になるとぐっと気温が下がる。AVA認定は1987年。

シェラ・フットヒルズ地区のAVAは、シェラ・ネバダ山脈のふもとに南北に渡って広がっており、ノース・ユバ、エル・ドラード、カリフォルニア・シェナンドー・ヴァレー、フェア・プレイが含まれている。

ぶどう品種はゴールドラッシュ時代からジンファンデルが主流。この土地の気候や痩せた土地がワインに複雑な味と香り、そして酸味を与えている。他にもカルベネ・ソーヴィニヨン、ルーサンス、シラー、サンジョベーゼ、バルベーラなどが栽培されている。

【シェラ・フットヒルズ地区の主なAOC】

<ノース・ユバ>
シェラ・フットヒルズ地区の最北に位置する小さなAVAがノース・ユバ。
この地区には珍しく、ジンファンデルよりもカルベネ・ソーヴィニオン、ルーサンス、シラー、シャルドネの栽培が盛ん。

<エル・ドラード>
シェラ・フットヒルズ地区に含まれるエル・ドラード郡のほとんどを占めるAVA。
ジンファンデルでつくられたフルボディの赤ワインで知られている。さまざまな土壌があり、ぶどうが栽培された場所によってワインの味わいが変わる。

<カリフォルニア・シェナンドー・ヴァレー>
エル・ドラード郡に南に隣接したアマドール郡にあり、シェラ・フットヒルズ地区のほぼ中央に位置するAVA。シェラ・フットヒルズ地区の中で最も標高が低く、暑くて乾燥しており、土壌も豊か。
ジンファンデルの栽培で有名だが、シェラ・フットヒルズ地区の他のワインと比べると酸味は控えめ。イタリア原産種のサンジョベーゼ、バルベーラも栽培されている。

<フェア・プレイ>
エル・ドラード郡の南部に位置し、エル・ドラードAVAのサブ・リージョンにあたるエリア。シェラ・フットヒルズ地区でも最も標高が高く、ミネラルや鉄分が豊かな土壌。
ジンファンデルのほか、カルベネ・ソーヴィニヨンが主流。生産量は少ないが、フェア・プレイのシラーは評価が高い。

<フィドル・タウン>
カリフォルニア・シェナンドー・ヴァレーのすぐ東に、丘で区切られたように位置している小さなAVA。
古い木で栽培されたジンファンデルで醸造する赤ワインが主流。フルーティな味わいが楽しめる。