イベリア半島に位置するスペインは、フランス、イタリアに次ぎ、ヨーロッパ第3位のワイン生産量を誇っており、地方固有の品種などを使った個性豊かなワインをつくっている。世界的にはテンプラニーリョをメインとした赤ワインが非常に人気だ。

カナリア諸島はアフリカ大陸北西沿岸近く、7つの島からなるスペインの群島。最も大きいのはテネリフェ島で、ワインも多く生産される。テネリフェ島のほかにも小さな島がそのままDOになっているものがあり、ランサローテやエル・イエロといったDOがある。

カナリア諸島では赤ワイン、白ワイン共に生産されているが、山岳地帯を伴う群島のためミクロクリマが発生し、それを生かした白ワイン生産が多い。また、「カナリー・サック」と呼ばれるマルヴァジアを原料とした酒精強化ワインも、長い歴史を持つ。

【カナリア諸島の主な生産地】

<タコロンテ・アセンテホ>
タコロンテ・アセンテホはカナリア諸島のテネリフェ島北端の産地。地中海性で穏やかな気候であるが、場所によってミクロクリマが存在する。
カナリア諸島の中で最も優れた赤ワインを産出する地域だが、これには固有品種のネグラ・モールとリスタン・ネグロが主に使われる。

<アボーナ>
アボーナとは、テネリフェ島南部沿岸の産地。スペイン最高峰のテイデ山斜面に畑が広がり、高いところではなんと標高1800mの土地でぶどうが栽培される。高低と地形によるミクロクリマを利用し、繊細な味わいの白ワインを中心に産出している。
赤やロゼもあり、早飲みタイプのワインが多い。

<バジェ・デ・ラ・オロタバ>
バジェ・デ・ラ・オロタバは、テネリフェ島北部の産地。テイデ山麓に畑が広がる。日照量に恵まれ温暖な気候だ。
バジェ・デ・ラ・オロタバでは赤・ロゼ・白がつくられ、赤はリスタン・ネグロやネグラ・モール、白はリスタン・ブランコを中心に、さまざまなタイプのワインが産出されていてバラエティ豊かだ。

<ランサローテ>
ランサローテは、カナリア諸島のランサローテ島全体がDOになっている。亜熱帯気候ではあるが、土壌が火山灰に覆われ、その火山灰層が水分を地中に閉じ込めている。
ランサローテでは、主にマルヴァジアを使用した白ワインが作られるほか、カナリー・サックと呼ばれる酒精強化ワインも作られる。

<エル・イエロ>
エル・イエロは、カナリア諸島に属するエル・イエロ島がそのままDOになっている。畑は急な斜面に展開し、標高が高い場所は土壌の保湿性が高くなる。
エル・イエロでは辛口のフレッシュな白ワインが多く作られ、リスタン・ブランコやビハリエゴを主に使用している。

<ラ・パルマ>
このDOは、カナリア諸島のラ・パルマ島全域を生産地としており、水や緑が豊かな場所だ。亜熱帯気候に属し、日照量が多い。
この地ではマルヴァジア・ブランコを使用した酒精強化ワインが主に作られてきたが、最近ではフレッシュな白、早飲みタイプの赤とロゼも作られている。ぶどう栽培の歴史は非常に長い。

<バジェ・デ・グイマル>
バジェ・デ・グイマルとは、テネリフェ島南東部のDO。テイデ山の南麓に畑が広がるが、最も高い所で標高1500mとヨーロッパ内でも最も高い産地の1つだ。
フレッシュな白ワインが生産量の多くを占め、その中でも固有品種のリスタン・ブランコのものが多い。赤とロゼも作られ、こちらはリスタン・ネグロやネグラ・モールが使用される。