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数々の有名なワイン生産地がある「黄金の丘陵」コート・ドール。そのすぐ南に位置するのがコート・シャロネーズだ。地区名はソーヌ川に面した河港シャロン=シュル=ソーヌが由来だ。生産地は町の西を走るD981号に沿って、南北に広がっている。

主な生産地は、北部のリュリー、ブーズロン、メルキュレィ、シャロン=シュル=ソーヌのほぼ真西にあるジヴリ、南西のモンタニィ、そして地域全体を指すコート・シャロネーズがある。グラン・クリュ(特級畑)はないが、プルミエ・クリュ(1級畑)を多数所有する生産地がある。

ワインはシャルドネ種による白、ピノ・ノワール種による赤が有名だが、それに加えてガメイとアリゴテというぶどうも栽培されている。このうち、アリゴテは辛口白ワインの原料として用いられ、強い酸味と独特の香りを有する。

【コート・シャロネーズ地区の主な生産地】

<リュリー>
シャニーの町からみて南に位置する。19世紀初めに、ブルゴーニュ地方で最初に発泡ワイン(クレマン)の生産した土地でも知られる。ACクレマン・ド・ブルゴーニュの産地として名高い。23のプルミエ・クリュがある。

コート・シャロネーズ地区の中では上質とされ、特にイギリスでの人気が高い。ワインの割合は、シャルドネ種による白が2/3を占める。

<ブーズロン>
アリゴテ種の白ワインとしては唯一の村名AOC。アリゴテ種はキール酒の材料ともなり、これを材料とする辛口の白は、他のぶどうにはない際立った酸味と独特の香りを持つ。

他の地域と比べ果皮が薄く黄色を帯びるため、この地で栽培されるアリゴテ種は金色を意味する「ドレ」もしくは「アリゴテ・ドレ」と呼ばれる。

<コート・シャロネーズ>
地域全域に適用される赤・白ワインのAOCだが、主としてブーズロンの西に位置するクーショワなど5つの村に適用される。シャルドネ種による白とピノ・ノワール種による赤・ロゼがあり、若飲みタイプのものが多い。

<メルキュレィ>
コート・シャロネーズを代表する生産地、メルキュレィ村を中心とするAOC。シャロネーズ地区ではもっとも高品質な赤ワインを生産することで知られ、濃厚なルビーレッドに特有の味わいを持つ。30近くのプルミエ・クリュのクリマを有する。これはAOC全体の耕面積の1/4に相当する。

<ジヴリ>
つくられるワインは、メルキュレィ同様ピノ・ノワール種による赤ワインがメイン。ブルボン朝時代の国王アンリ4世がこの地のワインを愛したことでも知られる。プルミエ・クリュの中には、シトー派修道僧によって開墾されたものもある。

<モンタニィ>
白ワインのAOC。多数のプルミエ・クリュを有するモンタニィ・レ・ビュクシー村のほか、近隣の計4つの村が該当する。白ワインのほか、ヤギの乳からつくるシェーブルチーズの産地としても知られる。