フランス

フランスワインの特徴とは

   

フランスは、ワインの品質の高さ、洗練されたワイン文化、知名度などで国際的に高く評価されている。海外に輸出される最高級品から、日常消費用のものまで、質の高いワインが幅広く生産されている。

フランスワインの歴史は紀元前6世紀のローマ時代まで遡る。ほぼ全土に渡ってワインが生産されているが、有名な産地はシャンパーニュ、アルザス、ロワール、ブルゴーニュ、ジュラ・サヴォワ、ボルドー、南西地方、ローヌ、プロヴァンス・コルシカ、ラングドック・ルーションの10の地域である。各地の気候、歴史、風土の違いによって栽培されるブドウ品種は異なり、多彩なワインが生み出されている。

Saint-Emilion: château and vineyard

カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネ、ピノ・ノワール、ソーヴィニヨン・ブラン、シラーなどの起源はフランスにあるとされており、醸造法やブレンド法は多くの国のワイン醸造の手本とされている。
日本市場のワイン供給国は2012年時点でフランスが第一位で、他の追随を許さない状況である。国別のワイン生産量は2012年時点ではフランスがイタリアを抜いて世界一となったが両者は拮抗している。ブドウ作付面積ではスペインが世界一で、フランスはそれに次ぐ二位ある。国別ワイン消費量はフランスが世界一だが、ヨーロッパ各国のワイン消費量は年々減少傾向にあり、他方で第二位のアメリカや第五位の中国での消費量は飛躍的に伸びている。

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フランスの高級ワインの中核をなす概念は主に2つある。ひとつはテロワールで、ワイン用ブドウが栽培される畑の土壌や気候をワインの特徴に結びつけるものである。もうひとつは1935年に制定された原産地呼称統制(AOC)法で、産地ごとに品種、収穫量、成熟度、醸造方法が定められ、その産地も地方、村、畑まで数百に及び細かく分類、格付けされている。これらの要件を満たした場合のみ、その生産地(アペラシオン)を名乗ることができる。AOCはフランス国立原産地名称研究所(INAO)によって管理されており、国を挙げて品質の維持・向上に取り組んでいる。AOCに似た呼称制度は他の国でも見られるが、フランスのAOCが最も厳密である。

View of the vineyard of Domain Huet, one of the premier vineyards of Vouvray.  The "tower" in the background is actually the steeple of a church.  The edge of the ancient vineyard ends in a high wall.

AOCワインは、地方名よりさらに限定された村や畑といった生産地のものほど土地の個性を反映するものとされる。AOCワインより統制が緩いVDQSワインがあったが2011年に廃止された。AOCの格付け外ではあるが限定された産地で決められた品種だけで造るワインとして、地酒にあたるヴァン・ド・ペイ、原産地や原産国の異なるワインをブレンドして日常的消費用として飲まれるテーブルワインのヴァン・ド・ターブルなどがある。

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