アルナー・モンジョヴァの気候・風土
アルナー・モンジョヴァは、イタリア北西部、ヴァッレ・ダオスタD.O.Cの一部だ。アオスタ州南東のアルナー周辺が該当する。D.O.C指定を受けたのは1985年7月のことだ。
スイスとフランスの国境に近く、この地域における公用語はイタリア語のほかフランス語も認められている。
ぶどう畑は、海抜380m~500mの斜面に展開している。年間平均降雨量は800mm~1000mmで特に春季と秋期の降雨量が多く、ぶどうの栽培には十分な水量が得られる。
栽培されるぶどうは赤ワインの原料となるネッビオーロがメインだが、この地では「ピコテンドロ」と呼ばれ、やや小さな柔らかい実をつけるのが特徴だ。その他ネイレ、コルナリンなどの土着品種も栽培される。
アルナー・モンジョヴァのワインの特徴
アルナー・モンジョヴァでは、主にピコテンドロ種を原料とする赤ワインがつくられる。D.O.Cの規定では最低70%がピコテンドロ種でつくられるよう定められており、残りはコルナリン種やネイレ種、グロス・ヴィエン種などの混醸が認められている。また、ピコテンドロ種のみでつくられるワインもある。
色は、ネッビオーロ種特有の深みのあるルビーレッド。チェリーやベリーなど赤い果実の中にスパイシーさを感じるアロマと、ビロードのようななめらかな舌触り、やわらかなタンニンとほのかな苦味がある。
また、より長い期間の熟成を要するシュペリュール(superieur、スペリオーレのこと。フランス語が公用語なのでこう表記される)もある。主に10~12ヶ月の樽熟成が行われることでアロマには長期間熟成特有のナッツやジャムの香りが混じる。力強く重厚な味わいが楽しめる。
この地の主なワイナリーとしては、1970年代に創業したラ・キウヴァが有名だ。
By Hanna – Flickr: Italy, CC BY 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=16210818
エピソード
アルナー・モンジョヴァではワインの他に、ラルドというハムが特産品として知られている。これは豚肉の背脂を熟成させたハムのことで、8月の最終週にはラルドや赤ワインの試食・試飲が楽しめるイベント、フェスタ・デル・ラルドが開催される。
アルナー・モンジョヴァの代表的なワイン
ヴァッレ・ダオスタ アルナー・モンジョヴァ / ラ・キウヴァ
ヴァッレ・ダオスタ アルナー・モンジョヴァ・シュペリュール / ラ・キウヴァ