モンティージャ・モリレスの気候・風土
モンティージャ・モリレスはスペイン南部、アンダルシア州の北側に位置するワインの産地だ。モンティーリャ・モリレスとも呼ばれるこの地域は、アンダルシアにある他のシェリー生産地と同様、平均的な降水量とチョーク質の土壌を有する。
へレスなどのシェリー生産地よりやや内陸に位置するため、寒暖の差が激しい。夏は酷暑となる気候が影響し、栽培されるぶどうの糖度は大変高い。そのため、酒精強化することなく自然発酵だけで、シェリーに非常に良く似たアルコール度の高いワインを生産することができる。
モンティージャ・モリレスのワインの特徴
モンティージャ・モリレスに使われる主な品種はペドロヒメネスという白ぶどうだ。ペドロヒメネスは糖度が高く、甘口のシェリーの原料として知られる。しかしモンティージャ・モリレスでは、辛口のワインをつくる際にもペドロヒメネスを使用する。
ペドロヒメネスの使用と一部酒精強化を行わない製法のため、モンティージャ・モリレスのワインはシェリーとは呼ばれない。だが味わいはまさしくシェリーで、特にフロール(産膜酵母)で糖が分解されたフィノは独特の風味を持つ。また熟成方法もシェリー同様ソレラシステムを用いている。
エピソード
モンティージャ・モリレスのワイン生産の歴史は古く、8世紀頃のイスラム勢力が台頭していた頃から行われていた。ペドロヒメネス種の一大産地としても知られていたが、現在のようなワイン産地に発展したのは18世紀頃からだ。
当時、スペインの海外に対する影響力は衰退していた。一方で、それに反比例するかのように国内産業は発展の兆しを見せていた。それに伴って、ワインの国内需要も拡大していった。
他産地で作られるシェリーやポルトガルのマディラなどと同様、モンティージャ・モリレスの主要なボデガ(酒蔵)もこの時期に創業されている。
モンティージャ・モリレスの代表的なワイン
アルヴェアール・ペドロヒメネス・アニャダ2008
アルヴェアール C.B.
モレノ フィノ・ムサ
タウロマキア・アモンティリャード
グランバルケロ・アモンティリャード
ロス・アミーゴス・フィノ