リベラ・デル・ドゥエロの気候・風土
リベラ・デル・ドゥエロは、スペイン北西部にあるカスティーリャ・レオン州のワイン生産地だ。ドゥエロ川に沿って東西120km近くに広がり、4つの県にまたがっている。
ぶどう畑の標高は800m前後とかなりの高地にある。土壌は白亜質の石灰岩と泥炭土の混合土壌で、ドゥエロ川の近くでは砂質を多く含む。
夏季・冬季の寒暖差が非常に激しい。夏は40度に達することもあれば、冬だけでなく春先に霜が降りることすらある。こうした厳しいテロワール(生育環境)が、リベラ・デル・ドゥエロのぶどうに頑強さと凝縮した味をもたらす。
大陸性気候の影響を受けるため、春と秋の降雨量が多い一方で、ぶどう生育中の夏季にはほとんど雨が降らない。
栽培されるぶどうは、黒ぶどうのテンプラニーリョ。なお、テンプラニーリョはティント・フィノ、もしくはティント・デル・パイスというシノニム(別名)で呼ばれる。
リベラ・デル・ドゥエロのワインの特徴
赤ワインのみが生産される。DO規定では75%以上テンプラニーリョを使用し、残りは混醸が認められている。しかし実際には、テンプラニーリョ単一品種によるワインが、生産量全体の8割近くを占める。
厳しいテロワールならではの豊かな果実味と、複雑で凝縮された味わい、濃厚なアロマ、そしてフィニッシュ後もしばらくの間残る、深みをもつ長い余韻が特徴。
スペインワイン全体の特徴として、その年の出来不出来に左右されやすいという側面がある。同じワインでも、その年の収量によって品質・味わいが異なるワインも珍しくない。
エピソード
世界的に有名な生産者として、ベガ・シシリアがいる。10年近い長期熟成タイプの「ユニコ」が大成功を収め、5万円前後の値段がつくにも関わらず大変な人気を誇る。ヴィンテージとして特筆すべきは2002、2003。1999も人気がある。
また、近年飛躍を遂げた生産者としてはティント・ペスケラが挙げられる。彼らの国際的な成功によって、かつて安価なバルク・ワインの生産地であったリベラ・デル・ドゥエロは、いまやスペインを代表する赤ワインの産地となった。
リベラ・デル・ドゥエロの代表的なワイン
ユニコ 2002、2003 / ベガ・シシリア
ティント・バルブエナ・5 / ベガ・シシリア
ハヌス グラン・リゼルヴァ 2003 / ティント・ペスケラ