エル・イエロ

エル・イエロワインの特徴とは

   

エル・イエロの気候・風土

エル・イエロは、大西洋アフリカ沖のカナリア諸島のワイン産地。D.O.に認定されている。カナリア諸島南西端に位置するエル・イエロ島全体を包括した産地となる。

ぶどう畑は、標高およそ200~700mの急な斜面に段状に広がる。土壌は、石灰質・粘土質・泥灰土質・砂質の火山性のもので、痩せて栄養に乏しいが保水性がある。

気候は温暖で日照時間が長い。標高の低い場所では乾燥するが、標高が高くなると湿度も高くなる。夏には貿易風が吹き、島の北東部に影響を及ぼす。夏には、北東部の町エチェド周辺が、貿易風が運んできた湿った空気に覆われる。

エル・イエロのワインの特徴

エル・イエロで生産されるのは主に辛口の白ワイン。リスタン・ブランコ種とビハリエゴ種を中心とした軽くフレッシュなスタイルのものが多い。また半甘口や、数世紀にわたりつくられてきた「カナリー・サック」と呼ばれる伝統的な甘口の酒精強化ワインもある。

赤ワインは、主にリスタン・ネグロ種とネグラモール種を使用してつくられ、フルーティな若飲みタイプが中心となっている。

ロゼワインは、リスタン・ネグロ種からフレッシュでフルーティな辛口ワインがつくられる。

この地のワインの生産量は増加傾向にあり、さまざまなスタイルのワインがつくられている。しかし、そのほとんどが地元で消費されるため、他の地域で入手するのは難しい。

エピソード

エル・イエロにおけるワインの生産の歴史は、1626年にイギリス人のジョン・ヒルが初めてぶどうの樹を植えたことから始まったといわれている。当初つくられたワインは蒸留酒として南アメリカに輸出されていた。需要が減少していくと、地元で消費する軽いスタイルのワインがつくられるようになった。

またカナリー・サックと知られる酒精強化ワインはかつてイギリスで人気があり、シェイクスピアの作品にはこのワインを求める場面が登場している。

エル・イエロの代表的なワイン

ビハリエゴ ティント バリカ/カンポ・フロンテラ協同組合
バボソ ティント/カンポ・フロンテラ協同組合
ブランコ セミドルチェ/カンポ・フロンテラ協同組合
ロザード/カンポ・フロンテラ協同組合
ティント・ドルチェ/カンポ・フロンテラ協同組合
ビハリエゴ ティント/ボデガ・タナハラ
バボソ・ネグロ/ボデガ・タナハラ

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