ヴァル・ド・ロワール

ロワールワインの特徴とは

   

フランス北西部に位置するワイン生産地。フランスの中央高地から大西洋に注ぐ全長約1,000kmのロワール河の、中流域から河口にかけてブドウ栽培地が広がる。69のAOCがあり、多彩で良質なワインが手頃な価格で造られている。

ロワール河はフランス最長の大河で、その中流域は由緒ある城館と自然が織りなす美しい景観が世界遺産に登録されている。中流域にはアンボワーズ城やブロワ城をはじめとする優雅な古城が点在し、渓谷の美しさと見事に調和している。そうした美しい景観の中、中流部から河口にかけてブドウ畑が広がっている。ブドウ栽培は早くから行われた地域だが、特に中世に宮廷がこの地に置かれたことから、ワインの醸造と交易は盛んに行われた。ボルドー地方の興隆の前からワイン醸造の技術は円熟しており、北方諸国の名声をも博していた。現在もその歴史と伝統をもとに様々なワインを産出している。

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ロワールで生産されるワインの約5割が白ワインで、単一のブドウ品種でワインが造られることが多い。ブルゴーニュ地方とその点では類似しているが、ロワールはブルゴーニュとは異なり栽培品種が多い特徴がある。それらの品種から、多種多様なロワールの特色あるワインが生みだされている。代表品種としては、赤ワイン用ブドウ品種では、グロロ、ガメ、カベルネ・フラン、マルベック、ピノ・ノワールなどが、白ワイン用ブドウ品種では、シュナン・ブラン、ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、ムロン・ド・ブルゴーニュなどがある。

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ロワール河流域のワイン産地は通常、ロワール下流域をナント周辺地区とアンジュー&ソーミュール地区の2つに分け、中流域のトゥーレーヌ地区、上流域の中央フランス地区の4地区に大別しており、ロワール沿岸にAOCワイン産地を繋ぐように続いている。ナント地区は河口付近にあるナント市を中心としたワイン産地でムロン・ド・ブルゴーニュを使用した辛口白ワインのミュスカデの生産地区として有名である。アンジュー&ソーミュール地区は特にロゼワインのカベルネ・ダンジュが有名でフランス3大ロゼワインに数えられる。トゥーレーヌ地区には有名な城館が多いがほぼ同数の栽培地があり、AOC名称はそれらの名称と結びつけられたものが多い。中央フランス地区には規模の小さい地区が点在しており、ソーヴィニヨン・ブランの単一品種から造られる個性的な辛口白ワインの名産地である。

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