ペネデスの気候・風土
ペネデスはスペイン・カタルーニャ州のワイン生産地だ。バルセロナから南、タラゴナに至るまでの地域を指す。
ペネデスのワイン生産地は3つに大別される。地中海沿いのバホ・ペネデス、カタロニア山脈沿いのアルト・ペネデス、その中間の広域に位置するメディオ・ペネデスだ。
土壌はアルト・ペネデスなど山地に近くなるほど石灰質となり、バホ・ペネデスでは海岸に近いため砂質となる。気候は地中海性気候に属するが、山間部には夏季と冬季の気温差が激しい地域もある。
栽培されるぶどうは地域ごとに異なる。バホ・ペネデスでは赤ワイン用のぶどう、テンプラニーリョ、ガルナチャ、カリニェナ、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローといった品種がメインとなる。
メディオ・ペネデスではマカベオ種、パレリャダ種など、カヴァの原料となるぶどうが多い。そしてアルト・ペネデスでは白ぶどうのシャルドネが主となる。
ペネデスのワインの特徴
メディオ・ペネデスは発泡ワイン、カヴァの産地として世界的に有名だ。スペイン全体のカヴァのうち9割前後がこの地で生産される。カヴァはシャンパーニュと同じく瓶内2次発酵でつくられ、ビラフランカ・デル・ペネデスのほか、サン・サドゥルニ・ダノイアが産地として知られる。
一方、バホ・ペネデスやアルト・ペネデスではDOとしてのスティルワインが生産されている。特に、アルト・ペネデスにおけるシャルドネ種による白ワインの評価が高い。有力な生産者として、トーレスが挙げられる。
バホ・ペネデスの赤ワインはテンプラニーリョ種、ガルナチャ・カリニェナ種に加え、フランス品種をブレンドしたものがつくられる。こうしたスティルワイン(非発泡性ワイン)は早飲みタイプのものが多い。
エピソード
カタルーニャ地方は、曲線と装飾性を重んじた独自の建築様式・モデルニスモでも知られる。代表的な建築家としては、サグラダ・ファミリアを設計したアントニオ・ガウディがいる。カヴァの代表的な生産者・コドルニウ社のワイナリーも、モデルニスモ様式により建てられている。
ペネデスの代表的なワイン
・カン・ラフォルス・デルス・カウス・グラン・カレウス・ネグレ
・カステリョイグ・テローハ
・パレス・バルタ・エレクティコ
・アウグストゥス・シャルドネ
・フベ・イ・カンプス・グラン・フーベ