山梨県甲州市勝沼町の気候・風土
勝沼町はかつて山梨県東山梨郡にあった町だが、2005年に塩山市・大和村とともに甲州市に合併された。
旧勝沼町エリアは現在、甲州市勝沼町となっているが、このエリアでつくられるワインを総称して勝沼ワインという。
当地域は扇状地が広がり水はけは良い。寒暖の差が大きく、同時に降雨量が少ないことからぶどうの栽培に適している。
明治初期の殖産興業政策においてワイン醸造業が奨励され、ぶどう農家が飛躍的に増加し、地域を代表する産業として発展を遂げた。
このエリアには30ものワイナリーが存在し、高品質なワインを多く醸造している。その生産量は、日本全国の25%にものぼる。
山梨県甲州市勝沼町のワインの特徴
勝沼町ではさまざまなぶどう品種が作られているが、中でも特筆すべきなのは甲州種だ。
日本ワインを代表する品種の1つである甲州種は、その名のとおり山梨県甲州地域の在来種。柔らかい口当たりとキレを併せ持つため日本中の多くのワイナリーに採用されている。
この甲州種は、勝沼エリアの水はけの良い土壌・寒暖差・日照時間・降雨量の少なさにぴったりの生育条件を持つ。
もう1つ、山梨県のワイナリーで多く使われる品種としてマスカット・ベーリーAがある。こちらは軽やかな果実味の心地よいワインができあがる。かつては複数品種をブレンドして作られる銘柄が多かったが、近年ではワイン市場の成熟に伴い、単一品種のみを使い、それぞれの個性を追求した銘柄が増えている。
代表的な生産者
勝沼で代表的なワイナリーとして、シャトー・メルシャン、シャトー勝沼、マンズワイン勝沼ワイナリー、丸藤葡萄酒工業などが挙げられる。小さなワイナリーも数多くあり、それぞれが世界に誇れる勝沼ワインの醸造を目指して切磋琢磨している。
また町内には公営のワインリゾート施設「ぶどうの丘」があり、宿泊・食事・スパ・試飲・買い物のすべてを1つの施設で済ませることが可能だ。こちらでは、勝沼ワインばかり200銘柄の品揃えがある。
エピソード
ぶどうの甲州種を利用し、国際的な競争力のある良質のワインを作る試み「甲州ワインプロジェクト」は2004年から開始され、現在では国際的に高い評価を得るようになった。
また、甲州種は「KOSHU」として国際ぶどう・ぶどう種機構に品種登録されている。
山梨県甲州市勝沼町の代表的なワイン
・甲州きいろ香/シャトー・メルシャン
・山梨勝沼甲州/シャトー・メルシャン
・勝沼のあわ/シャトー・メルシャン
・ルバイヤート・ルージュ/丸藤葡萄酒工業
・ルバイヤート・甲州辛口/丸藤葡萄酒工業
・ルバイヤート・マスカットベーリーA/丸藤葡萄酒工業
・にごり甲州/シャトー勝沼