ロシアン・リバー・バレー

ロシアン・リバー・バレーワインの特徴とは

   

ロシアン・リバー・バレーが産地のワインは、かつてはシャルドネ種による白ワインがメインだった。
現在も白ワインの生産量は多いが、ピノ・ノワール種による赤ワインが取って代わって多くなっている。ブルゴーニュと並び称されるワインも多い。

ロシアン・リバー・バレーとは?

ロシアン・リバー・バレーの地理的な特徴や、土壌の特徴によってどんな品種のワインがつくられるのか解説していく。
ワインの味わいの特徴や、歴史についても触れているので、ぜひ参考にしてほしい。

ロシアン・リバー・バレーの地理的特徴

ロシアン・リバー・バレーは、カリフォルニア州北部、ノースコーストのAVA。ソノマ郡に位置し、カリフォルニアの産地を代表する名醸地のひとつだ。

メンドシーノ郡からサン・パブロ湾に向かって流れるロシアン川流域に位置し、ヒールスバーグ以降の流域が該当する。

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品種と味わい〜気候と土壌がワインに与える影響〜

サン・パブロ湾から吹き込む霧の影響を強く受け、この地域はカリフォルニアのAVAの中でも非常に冷涼な地域となる。
そのため、主にピノ・ノワール種やシャルドネ種などのブルゴーニュ品種が栽培されている。ぶどうの生育期間は長く、ぶどうに複雑な味わいと独特のバランスを与える。

土壌は水はけのよい砂質土壌、ところによりチャートや石灰岩、シルトなどの混合土壌となる。

そして味わいは、ピノ・ノワールにおいては、中程度のタンニンと強い酸味が特徴だ。
フレーバーは、ストロベリーやレッドチェリーのようで、樽熟成由来のヴァニラやスパイスが溶け込む。
ボディは、ミディアム〜ミディアム+だ。

シャルドネにおいての味わいは、強めの酸味を持つことが特徴で、フレーバーは完熟したピーチやイエローストーン系のフルーツが感じられる。

そこにマロラクティック発酵(MLF)と樽熟成によるクリーミーでスパイシーなニュアンスが溶けこむ。

ボディはこちらも、ミディアム〜ミディアム+となる。

Karen's Rochioli Reds

ロシアン・リバー・バレーのおすすめワイン

ロシアン・リヴァー・ヴァレー ピノ・ノワール/キスラー・ヴィンヤーズ

キスラー・ヴィンヤーズのピノ・ノワールの中で、歴史あるキュヴェのひとつだ。高所に位置した畑でつくられたワインで、涼な気候の元に育てられたピノ・ノワールが使用されている。瑞々しい果実味のある味わいが魅力だ。

タイプ:赤ワイン
生産者:キスラー・ヴィンヤーズ
生産地:アメリカ カリフォルニア ノース・コースト ソノマ
品種:ピノ・ノワール(100%)
容量:750ml
原産地呼称:AVA. ロシアン・リヴァー・ヴァレー

ピノ・ノワール ロシアン・リヴァー・ヴァレー

続いて紹介するのは、カリフォルニアを代表する女性醸造家、メリー・エドワーズ氏によるワイナリーが提供する、深みのあるピノ・ノワールだ。風味の特徴は、熟したベリー。そこに溶け込む、ビロードのようなタンニンが魅力だ。

タイプ:赤ワイン
生産者:メリー・エドワーズ
生産地:アメリカ カリフォルニア ノース・コースト ソノマ
品種:ピノ・ノワール(100%)
容量:750ml
原産地呼称:AVA. ロシアン・リヴァー・ヴァレー

著名なワイナリーとその歴史

有力なワイナリーとしては、ウィリアムズ・セリエム、ロキオリ、デュモルなどが挙げられる。ロキオリのピノ・ノワールは、暫定ながらパーカーポイント100点を獲得した。そのワインはパーカーを通して、グラン・クリュ「エシェゾー」のようだと賞賛された。

また、「カリフォルニア・シャルドネのレジェンド」と名を馳せる、キスラー・ヴィンヤーズも、忘れてはならない存在だ。
キスラー・ヴインヤーズは、スティーヴ・キスラー氏を中心としたファミリーによって、1978年にカリフォルニアのロシアン・リバー・バレーに創設されたワイナリーだ。パーカーはじめ、著名のワイン評論家からの信頼度が厚い。手がけるワインは、ワイン・スペクテーターの2020年THE TOP 100 WINES第6位に選ばれており、別格のワイナリーと言えるのではないだろうか。

ロシアンリバーバレーのワイン生産の歴史

アメリカにあるのに、なぜロシアン川(ロシアの川)という名前がついているのだろうか? これは19世紀初頭に、ロシア人が貿易のための会社(露米会社)を設立したことに由来する。

ロシア帝国の使者ニコライ・レザノフが、当時スペイン人の統治下にあったカリフォルニアに派遣されたのが始まりだ。
その後1812年、現在のフォート・ロスに砦が建設され、ソノマ郡におけるロシア人の定住拠点となった。

Williams Selyem

ロシアン・リバー・バレーのワインツーリズム

ソノマ海岸近辺で、ワイントレイルやツアー、イベントが開催されている。
こちらでは、開催されているワイントレイルの情報に触れていく。

訪れるべきワイナリーとツアー情報

訪れるべきワイナリーとツアー情報をこちらではご紹介する。
ワイナリーを訪れる前に、ぜひ参考にしてほしい。

ソノマコースト(北)

有名なワイン:シャルドネとピノ・ノワール
ワイントレイルの平均価格:60ドル
参考サイト:https://westsonomacoast.com/

サンタ・ルシア・ハイランズ

有名なワイン:シャルドネとピノ・ノワール
ワイントレイルの平均価格:30ドル
参考サイト:https://www.santaluciahighlands.com/

レイク郡

有名なワイン:ベルネ・ソーヴィニヨンとソーヴィニヨン・ブラン
ワイントレイルの平均価格:20~30ドル
参考サイト:https://www.lakecountywineries.org/wineries/

地元のイベントとワインフェスティバル

こちらでは、ワイナリーそれぞれのイベントやワインフェスティバルをご紹介する。

ソノマコースト(北)

西ソノマ海岸の、ワインや軽食が楽しめるイベントが2024年11月16日に開催された。
来年の7月20~23日には、ファームキャンプ2025も開催予定だ。

参考サイト:https://westsonomacoast.com/events

サンタ・ルシア・ハイランズ

2024年11月13日にはバーチャルイベントが開かれ、翌年2月には「パームスプリングス ピノ・ノワール・フェスティバル」という、ワインテイスティングやブランチを楽しめるイベントが待っている。

また、翌月の3月13日には、「WiVi セントラルコースト」という、販売者や生産者の集まりもイベントとして控えている。

参考サイト:https://www.santaluciahighlands.com/events/

ロシアン・リバー・バレーの魅力と今後の展望

全米でも最も称賛を受けるワインの産地、ロシアン・リバー・バレー。高品質なピノ・ノワールやシャルドネの栽培に適しており、ソノマを代表する超一流のワイナリーたちの本拠地でもある。

ワイントレイルやイベントも多数行われているので、その価値や魅力も多くの人々により知られていくのではないだろうか。

また、ロシアン・リバー・バレーでつくられたピノ・ノワールのフレーバーも、フルーティーさだけでなく、土や木などのフレーバーも感じる人もいるとのこと。フレーバーの表現が多様なワインもつくることができる点も、魅力のひとつと言えるのではないだろうか。

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