緑の生け垣と大樹に囲まれたシャトー・シュヴァル・ブランの石造りの建物
ワイナリー

シャトー・シュヴァル・ブラン

シャトー・シュヴァル・ブラン(Château Cheval Blanc)は、フランス・ボルドー地方サン・テミリオンを代表する造り手のひとつです。名前は聞いたことがあっても、どんな土地で、どのような考え方のもとにワインを造っているのかまでは意外と整理しにくいものです。

この記事では、シャトー・シュヴァル・ブランの特徴、ワインづくり、代表的なワイン、歴史を分かりやすく紹介します。造り手の背景を知っておくと、ラベルだけでは見えにくい味わいの方向性や価格の理由も理解しやすくなります。

緑の生け垣と大樹に囲まれたシャトー・シュヴァル・ブランの石造りの建物
サン・テミリオンの畑に歴史を刻む、端正な石造りのシャトー・シュヴァル・ブラン(画像: Benjamin Zingg, Switzerland / CC BY-SA 2.5) Wikimedia Commons / CC BY-SA 2.5

シャトー・シュヴァル・ブランとは

産地とスタイル

シャトー・シュヴァル・ブランは、フランス・ボルドー地方サン・テミリオンの風土と深く結びついたワイナリーです。産地の気候、土壌、品種の個性を生かしながら、その地域らしさが伝わるワインを生み出しています。

1920年植樹のカベルネ・フランを示す区画標識と冬のシャトー・シュヴァル・ブランのブドウ畑
『Vieux Cheval Blanc Cabernet Franc 1920』の区画標識が立つ、冬のシュヴァル・ブランの古樹畑(画像: Combejul / CC0) Wikimedia Commons / CC0

評価される理由

サン・テミリオン村のポムロールとの境に位置し、粘土、砂利、砂が細かなモザイクを描くテロワールを持つ名門です。公式サイトのグラン・ヴァン紹介では赤ワイン用の畑を39.5ヘクタール、55区画とし、各区画の土壌、樹齢、品種の個性を別々に捉えています。畑全体ではカベルネ・フラン55%、メルロー40%、カベルネ・ソーヴィニヨン5%という右岸では珍しい構成。粘土区画の厚みと柔らかなタンニン、砂利区画の芳香と優雅さを重ね、力強さと繊細さを両立するスタイルを築いています。2021年に公表したアグロエコロジーの方針では、耕起を抑えた植生被覆、約3,000本の果樹・森林樹、羊、菜園、養蜂を畑へ戻し、多様性と生きた土を育てています。

ワインづくりのこだわり

収穫は区画ごとの香り、酸、タンニンの成熟を見極めて決め、20キログラムの小箱で運んだ果実を畑と選果台で厳しく選別します。除梗後は450キログラムの小型ホッパーから重力で区画専用タンクへ送り、区画を混ぜずに醸造。2011年完成のクリスチャン・ド・ポルザンパルク設計の醸造所には、12〜113ヘクトリットル、14種類の大きさを持つ67基のコンクリートタンクが並びます。発酵中は手作業で穏やかにルモンタージュし、試飲を重ねながら抽出を調整。16〜18か月の樽熟成では樽が香りを覆わないことを重視し、手作業の澱引きを続けます。区画のワインが初めて出会うのは樽熟成約3か月後のブレンドで、ヴィンテージごとの鮮度、優雅さ、精密さ、長い余韻を組み立てます。

ボルドーのワイナリーで選果台に広げた黒ブドウを確認する作業風景
収穫果を房と粒で選ぶ工程を伝えるボルドーの選果風景。シュヴァル・ブランでも区画別に厳格な選別を重ねます(画像: davitydave / CC BY 2.0) Wikimedia Commons / CC BY 2.0

代表的なワイン

Château Cheval Blanc

カベルネ・フランとメルローを軸に、選ばれた区画だけをブレンドするグラン・ヴァン。花、赤黒い果実、香辛料や森を思わせる複雑な香り、張りのある酸、密度を備えながら絹のようにほどけるタンニンが特徴です。比率は固定せず、その年のテロワールを最もよく表す区画を試飲で選びます。今回のAmazon掲載商品は1989年の750mlボトルです。

Le Petit Cheval

グラン・ヴァンと同じ区画別の栽培・醸造から生まれる赤のセカンドワイン。厳しい選別でグラン・ヴァンに入らなかった区画の個性を生かし、カベルネ・フランとメルローの芳香、果実味、しなやかな口当たりを、より早い段階から親しみやすく表現します。

両手で掲げられたシャトー・シュヴァル・ブラン1947年のワインボトル
二つの万国博覧会メダルを描いたラベルをまとう、伝説的な1947年のシャトー・シュヴァル・ブラン(画像: Toni Mascarenhas / CC BY-SA 4.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0

ワイナリーの歴史

土地のブドウ栽培史は数世紀に及び、現在のシャトーの歩みは1832年にジャン=ジャック・デュカスが中核となる土地を取得したことから本格化しました。その後約20年かけてシャトー・フィジャック由来の区画を加え、1852年から『Cheval Blanc』の名で販売。娘アンリエットと結婚したジャン・ローサック=フルコーは排水設備を整え、1860年代にメルローとカベルネ・フランをほぼ半分ずつ植える独自の構想を進めました。1862年ロンドン万国博覧会の銅メダル、1878年パリ万国博覧会の金メダルは現在もラベルに受け継がれます。1998年にベルナール・アルノーとアルベール・フレールが取得し、歴史的な畑を守りながら設備と環境面の取り組みを更新。2021年にはテロワールとワイン、歴史を重視する立場から翌年のサン・テミリオン格付への参加を辞退しました。

シャトー・シュヴァル・ブランを写真で見る

サン・テミリオンの石造りの熟成庫に置かれたオーク樽
石壁と樽がつくるサン・テミリオンの熟成庫の空気感。シュヴァル・ブランは16〜18か月の樽熟成と手作業の澱引きを行います(画像: Grand Parc – Bordeaux, France / CC BY 2.0) Wikimedia Commons / CC BY 2.0
フランスの著名ワインの木箱が並び下段にシュヴァル・ブランの木箱が見える展示
ラフィット、オーゾンヌ、ペトリュスなどと並ぶ木箱の一角に刻まれた『CHEVAL BLANC』の名(画像: michael clarke stuff / CC BY-SA 2.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 2.0
シャトー・シュヴァル・ブラン1983年ヴィンテージのワインラベル
1862年ロンドンと1878年パリのメダル意匠を受け継ぐ、シュヴァル・ブラン1983年のラベル(画像: schuey / CC BY 2.0) Wikimedia Commons / CC BY 2.0
シャトー・シュヴァル・ブラン1989年ヴィンテージのワインラベル
今回Amazonで購入可能と確認したヴィンテージと同じ、シャトー・シュヴァル・ブラン1989年のラベル(画像: Jamain / CC BY-SA 3.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0
ブドウ畑の向こうに石造りの町並みと教会塔が広がるサン・テミリオンの景観
石造りの町とブドウ畑が連なるサン・テミリオン。シュヴァル・ブランはこの村のポムロールとの境にあります(画像: Adam Baker / CC BY 2.0) Wikimedia Commons / CC BY 2.0
葉の間で青紫色に熟したカベルネ・フランのブドウの房
シュヴァル・ブランの畑の55%を占め、芳香と緻密な骨格を支えるカベルネ・フランの房(画像: Rosenzweig / CC BY-SA 3.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0

シャトー・シュヴァル・ブランのおすすめワイン

この記事にはAmazonアソシエイトリンクが含まれます。

シャトー・シュヴァル・ブランの味わいを知るなら、まずは代表的な銘柄から選ぶのがおすすめです。

Château Cheval Blanc 1989 750ml

シャトー・シュヴァル・ブランらしさを感じやすい1本として、ヴィンテージや販売者、配送条件を確認しながら選びたい候補です。

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まとめ

シャトー・シュヴァル・ブランは、フランスのワインを知るうえで押さえておきたい造り手です。産地の個性、歴史、代表的なワインを知っておくと、ボトルを選ぶときの判断材料が増えます。まずは代表的なキュヴェのスタイルを確認し、料理や熟成感の好みに合わせて選ぶとよいでしょう。

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この記事はWine Bazaar編集部が、公開情報・取材情報・商品情報を確認し、読者がワインを選びやすくなることを目的に作成しています。内容は必要に応じて更新します。

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