ブドウ果汁を発酵させたアルコール飲料。砂糖や酵素を添加することなく果実のみの力で発酵させる醸造酒。ただし近代的な方法では純粋培養の酵母や糖を添加することもある。アルコール度数は概ね10-15度である。
ブドウ以外の果実を原料とした場合はフルーツワインや果実酒と呼ぶ。ただし日本の酒税法ではワインは果実酒に分類されている。
ワインには視覚的に識別できる赤ワイン、白ワイン、ロゼワインの3種類がある。その他に特殊な製法を用いて造られる分類として、発泡ワイン、酒精強化ワイン、フレーバードワイン、貴腐ワイン、遅摘みワイン、アイスワインなどがある。
ワインに用いられるブドウ品種では、主に赤ワイン用ではカベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワール、カベルネ・フラン、メルロー、ガメ、白ワイン用ではシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・グリなどがあり、単一品種で造られるものと、各品種の特徴を活かすために複数品種をブレンドしたものがある。
ワインは原料となるブドウの品種とその栽培方法、醸造方法、さらに製造された土壌や気候の要素(テロワール)が品質に影響する。このことからヨーロッパ各国では製造された産地ごとに細かく格付けされている。
天然の飲料であるが故にすべての醸造酒と共通して年毎に味が異なるが、特にワインにおいてはブドウの収穫年が重要視される。ブドウの収穫年を指すヴィンテージという用語があり、天候や醸造者といった製造に関わる情報を考慮したうえで良年であるかどうかが価値判断の基準とされることが多い。安定した味にするため複数年度のワインを混ぜた安価なノン・ビンテージワインもある。
ワインはビンに詰められた後も発酵を続け、その風味は変化し続ける。造られて間もないワインは渋味や酸味が強かったりすることもあるが、熟成が進むことでまろやかな味わいになることもある。ただし、安価なものの中には熟成による品質向上はせず劣化するだけのものもあるので注意が必要。高品質のものであっても通常は1年から10年、長くても20年から30年程度の熟成にしか耐えないものであるが、一部の高級ワインはふさわしい保存状態のもとでより長く熟成させると更に品質が向上する。
最古のワイン用ブドウ品種はコーカサス地方が原産地であり、人類史上最初の都市国家文明が栄えた古代メソポタミアでシュメール人が造っていたことが判明している。