スペインはイベリア半島にある国。スペインのワイン生産量はフランスやイタリアに次ぐ世界3位を誇る。

国際的にはヴェルデホを使用する白ワインやテンプラニーリョを使った赤ワインが有名だが、さまざまな土着品種の栽培も盛んで、個性あふれるワインが国中で作られる。スティルワインはもちろんのこと、へレスで作られる酒精強化ワインのシェリーや、カタルーニャで作られる発泡ワインのカヴァも人気がある。

バスク地方は、スペイン北部のピレネー山脈近く、フランスとの国境にまたがる地方のことだ。湾岸部は海洋性気候の影響を受け、内陸は大陸性気候。食文化の素晴らしさは特筆すべきで、古くから巡礼者ら訪問者を楽しませてきた。チャコリ・デ・アラバ、チャコリ・デ・ゲタリア、チャコリ・デ・ビスカヤといったDOがある。

バスク語でワインは「チャコリ」と呼ばれる。食前酒として飲まれる白ワインが多く、ボトル詰めから1年以内に消費される。アルコール度数は9.5~11.5度の間で、ピンチョスなどとともに提供されることも多い。

【バスクの主な生産地】

<チャコリ・デ・アラバ>
チャコリ・デ・アラバはバスク州のアラバ県にあるワイン産地で、州の中で一番新しいDOだ。大陸性気候で乾燥した南風が吹き込み、寒暖の差が激しい。
この地では、オンダラビ・スリを使用したコクのある白ワインが作られている。

<チャコリ・デ・ビスカヤ>
バスク州北西部のビスカヤ県にあるワイン生産地。海が近いために冷たい海風の影響を受け、海洋性気候だ。降雨が多く湿度が高い。
オンダラビ・スリを使った早飲みタイプの白ワインが多く作られる。爽やかな味わいが特長だ。

<チャコリ・デ・ゲタリア>
バスク州ギプスコア県のワイン産地。海沿いに位置し、冷たい海風の影響を受けて寒暖の差が少ない。比較的降雨量が多く、全体的に湿度が高い地域となっている。
バスクの中で最初にDO指定された場所で、栽培されるぶどうの98%がオンダラビ・スリだ。発泡性のあるものが多い。雨が多いためにぶどうの糖度が抑えられ、辛口の軽めの白ワインに仕上がる。