パチェコ・パスの気候・風土
アメリカ・カリフォルニア州に属し、太平洋岸のモントレー湾など、海に挟まれたエリアにあるセントラルコースト。その中には数多くのAVAが存在しており、その中の1つがパチェコ・パスだ。
パチェコ・パスはサンタクララ郡に所属しているAVAで、他にも同郡のAVAにはサン・エシドロ・ディストリクトがある。
サンタクララ郡は優秀なぶどうの生産地として有名。沿岸部でありながら、山のふもとにあるため極端な冷たい風や強風とは縁がない。日影である時間が長いため、太陽光を浴びるのは昼間の短い期間だけ。そのため、大ぶりとは言えないものの一粒に旨みと酸味、甘みが凝縮された上質なぶどう生産が可能なのだ。
人口は少ないエリアながらも郡全体で約1500ac(607ha)の面積でぶどう栽培を行っている。品種はカベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネ、フィアーノ、グルナッシュなど。どれも高い評価を得ている。
パチェコ・パスのワインの特徴
非常にのど越しが良く、普段はワインを苦手としている人からも好んで愛飲されている。果実の酸味はほとんど感じず、その代わりに熟した果実のアロマが広がる。具体的に言うならば、メロンや洋ナシといったさっぱりとした甘みを楽しめるのだ。
甘みと聞くと口の中に残りそうなイメージがあり、食事に合いにくいと嫌がる向きもあるかもしれない。しかし、後味はさっぱりとしたミネラルを感じる。「まるで乳製品のようだ」と評する愛飲者もおり、サラダなどさっぱりとした料理と相性が良いとされている。