コール・ランチの気候・風土
コール・ランチは、アメリカ西海岸・カリフォルニア州のAVAだ。メンドシーノ郡、ユーカイアの町の南に位置する。付近にはアンダーソン川とロシアン川が流れている。
1983年にAVA認定。生産面積は75haほどと、広大な生産地が多い北アメリカAVAの中では非常に狭い部類に入る。
土壌はローム層に礫岩・粘土質の混じったもの。畑の標高は400m程度。
栽培されるぶどうはリースリング種、ピノ・ノワール種、メルロー種、カベルネ・ソーヴィニヨン種など。
コール・ランチのワインの特徴
リースリング種による白ワイン、カベルネ・ソーヴィニヨン種やメルロー種といったボルドー品種による赤ワインがつくられる。
赤ワインはプラムやチェリーなど、赤系果実を思わせるアロマに、ブラックペッパーのようなスパイスの効いた後味を持つ。
コール・ランチ全体が、アンダーソン・ヴァレーに本拠地を構えるワイナリー、エスターリナの所有となっている。カリフォルニアを中心に活動する小規模なワイナリーをブティックワイナリーと呼び、エスターリナもそのうちの1つだ。
かつて、カリフォルニアが安価なテーブルワインを生産していたころは、一本の木から大量のぶどうを収穫していた。そのため、ぶどう1房ごとの品質は芳しくなかった。
近年、カリフォルニアワインが品質重視にシフトするにあたり、1本あたりの収量を抑える生産方法が導入された。これにより、1房あたりの品質がキープされるようになった。
こうして品質管理されたぶどうは、コール・ランチでの使用のみならず、メンドシーノやノース・コーストなど近隣のAVAにも供給されている。
エピソード
上記のような収量管理に加え、フランス式の低温発酵やバリック(ワイン樽)の導入など、高品質なカリフォルニアワインの勃興にブティックワイナリーが大きな役割を果たしていることは間違いない。
その第一人者ともいえるのがロバート・モンダヴィだ。ナパ・ヴァレーを本拠地とするモンダヴィワイナリーは、収量を抑えた本格的な高級志向のワインづくりに着手。いまでは、ナパ・ヴァレーの第1人者として君臨している。
コール・ランチの代表的なワイン
コール・ランチ メルロー / エスターリナ
コール・ランチ カベルネ・ソーヴィニヨン / エスターリナ