サザン・オレゴンの気候・風土
サザン・オレゴンは、アメリカ・オレゴン地方南部のワイン生産地。AVAに認定されている。
カスケード山脈などが連なる山岳地帯に位置し、標高は平均450m。堆積岩を多く含む土壌。
もともとあった2つのぶどう栽培地域を統合し、現在のサザン・オレゴン地区となったため、地区内の南と北で気候が大きく異なるのが特徴。
基本的には温暖な気候で、アムクワ川付近の気候はやや寒冷。日照量は多いが降雨量が少ないため空気は乾燥しており、ピノ・ノワールやピノ・グリ、リースリングといったぶどうの栽培に適している。
ぶどう栽培に適していない場所もあることから、ワイン生産量はそれほど多くはない。このため、個人向け販売品の製造が中心。
サザン・オレゴンのワインの特徴
赤ワインは、凝縮されたぶどうの旨味と濃厚さが特徴的で、酸味がやや強め。
熟成させるほどに味の深みが増し、酸味と甘みの調和が取れる。タンニンは薄めでなめらかな口当たりとなっており、芳醇さと成熟した香りだと評されることもある。
ベリー類のスパイシーさと酸味は脂とよく合うためワイン単体よりも肉料理などと楽しまれることが多い。
白ワインは野性味が強く、凝縮された果実味が印象的。濃厚な香りと味を楽しめる点が評価されており、繊細さよりも力強さを持つとされている。
エピソード
サザン・オレゴンはオレゴン地方の中で最も早くぶどう栽培が始まった地。サザン・オレゴン・ジンファンデルなどの品種を栽培し、博覧会で受賞するほどの高品質なワインがつくられている。
自然に恵まれた環境で、観光業は未発達と言われることも多かった。しかし近年は、観光スポットが増えたり、シェイクスピアフェスティバル(700を超える舞台が開催される大規模イベント)が開催されたりするなど、ワインを含めて楽しめる観光地へと発展しつつある。
サザン・オレゴン近くにあるローグ川はラフティングの名所として全米に知られるほどで、ワイン観光を目的とした観光客の獲得を目指し、自然を活かした観光業の発達にも着手している。
サザン・オレゴンの代表的なワイン
スパングラーカベルネフランクサザンオレゴン
スパングラーカベルネソービニヨン サザンオレゴン
Abacela Merlot Southern Oregon
ファイアスティード・オレゴン・ピノ・ノワール