ホース・ヘヴン・ヒルズの気候・風土
ホース・ヘヴン・ヒルズは、ワシントン州のAVA。2005年にAVAに認定された。
州南部に位置する。北はヤキマ・バレーAVA、南はコロンビア川に面しており、ぶどう畑は川沿いの斜面に展開する。
土壌は水はけのよい砂質ローム層。大昔の洪水や強風によって運ばれてきた堆積土壌となる。その下層には、火山性土壌の玄武岩が広がる。
コロンビア川をわたる風の影響で、ホース・ヘヴン・ヒルズは穏やかな気候となる。この風はワイン作りに重要な役割を担う。夏季には過度の暑さをやわらげる一方、冬には厳しい寒さを緩和し、生育期を早める。また晩秋や早春には、ぶどうを霜害の脅威から救う。
栽培される品種は黒ぶどうではカベルネ・ソーヴィニヨン種、メルロー種、シラー種。白ぶどうではシャルドネ種、ソーヴィニヨン・ブラン種など。
ホース・ヘヴン・ヒルズのワインの特徴
カベルネ・ソーヴィニヨン種やメルロー種による赤ワインが多い。カベルネ・フラン種、プティ・ヴェルド種も混醸に用いられる。シャルドネ種、ソーヴィニヨン・ブラン種による白ワインもつくられる。
有力なワイナリーとしては、広大な敷地面積を有するシャトー・サン・ミッシェル、その傘下のコロンビア・クレスト、アンドリュー・ウィルなどが挙げられる。
コロンビア・クレストのカベルネ・ソーヴィニヨン・リゼルヴ2005は、ワイン・スペクテーター誌において「ワイン・オブ・ザ・イヤー 2009」に選出された。
エピソード
ワシントン州東部、レッド・マウンテンAVAにあるクィルセダ・クリークは有名なワイナリーだ。特にカベルネ・ソーヴィニヨン種の評価が高く、パーカー・ポイント100点を獲得したヴィンテージもある(2002、2003)。
カリフォルニア州以外のアメリカワインとしては初の100点獲得であったが、このカベルネはホース・ヘヴン・ヒルズAVAから輸入されたものだ。アメリカにおいてはぶどう栽培者とワイナリーが異なるため、別AVAからぶどうを輸入することも珍しくない。
なお、「エステート」の表記がされたワインについては、別AVAからのぶどうの輸入は許されず、栽培から醸造までを全て単一AVAで行ったもののみ、との規定がある。
ホース・ヘヴン・ヒルズの代表的なワイン
シャトー・サン・ミッシェル カヌーリッジ・エステート メルロー
アンドリュー・ウィル・ワイナリー ソレッラ
コロンビア・クレスト グランド・エステーツ カベルネ・ソーヴィニヨン
コロンビア・クレスト ツーヴァインズ カベルネ・ソーヴィニヨン