ヤキマ・バレーの気候・風土
ヤキマ・バレーはワシントン州南東部にあるAVAだ。1983年AVA認定。ワシントン州では最古のAVAとなる。
西にはカスケード山脈、東にはコロンビア川が流れる。3つのサブゾーンAVA(レッド・マウンテン、ラトルスネイク・ヒルズ、スナイプス・マウンテン)を持つ。
土壌は砂質シルト、ローム層。緯度は北緯46度で、ボルドーとブルゴーニュの中間に位置する。夏季の日照時間は17時間にも達し、これはカリフォルニア州よりも2時間ほど長い。
カスケード山脈東側は、寒流に由来する冷たい空気が遮られるため大陸性気候に属する。日較差が大きく、年間降水量は200mm程度と少ない。なお山脈西側は海洋性気候に属し、冷涼となる。
アメリン&ウィンクラー博士の気候区分では、リージョン2に属する。これはイタリア北部・ピエモンテ州やフランス・ボルドーと同一となる。このため、カベルネ・ソーヴィニヨン種やメルロー種など、ヨーロッパ品種のぶどう栽培に適している。
ヤキマ・バレーのワインの特徴
シャルドネ種による白ワインや、カベルネ・ソーヴィニヨン種やメルロー種などのボルドー品種による赤ワインがメイン。その他、シラー種によるものやリースリング種によるワインがある。豊富な日照時間と日較差の大きさが反映された、凝縮された味わいを持つワインとなる。
主なワイナリーとしてはデリール・セラーズ、マックレイ・セラーズ、アンドリュー・ウィル・ワイナリーなどが挙げられる。
エピソード
アメリカワイン最大の特徴として、ヨーロッパと違い、ワイナリーとヴィンヤード(ぶどう栽培者)が別経営になっていることが挙げられる。
このため、ワイナリーがなくあまり生産実績のないAVAでも、ぶどうの栽培量は多め、ということも珍しくない。
こうしたAVAのぶどうは有名ワイナリーに輸送され、そのワイナリーのラベルによって出荷される。
ヤキマ・バレーの代表的なワイン
デリール・セラーズ シャルール・エステート 2013
デリール・セラーズ ドイエン・エックス 2006、2010
マックレイ・セラーズ シラー
アンドリュー・ウィル・ワイナリー トゥー・ブロンズ・レッド