中国

中国ワインの特徴とは

   

近年ワイン人気が高まっている中国は、今やボルドーワインの世界最大の輸出先である。中国ワインは紀元前からの長い歴史を持つ。市場の信頼をなかなか得られなかったが、2012年に世界最大級のワイン品評会で銀賞を受賞するなど、国際的な評価が少しずつ高まっている。

Vino chino

中国国内では既に900余りのワイナリーがあり、生産量は2012年時点で世界第五位。ワイン用ブドウ作付面積はヨーロッパ三大大国に次いで第四位。さらに、特筆すべきはその消費量である。現在はフランスアメリカイタリアドイツに次いで四位であるが、ヨーロッパの消費減少傾向に対して中国での消費は急増しており、2000年から2012年で67%増である。今後中国が米国を抜いて世界最大のワイン消費国になるという予測もある。しかし中国国内では、フランスはもちろん、世界の有名ワイナリーのコピー商品が大量に流通しているなどの問題も抱えている。

Chinese Hotpot

中国の葡萄の栽培とワインの製造は紀元前からすでに始まっていたとされるが、現代で製造されているものと、まったくルーツの違うものであったとされる。前漢時代の紀元前128年頃にブドウとその栽培技術およびワイン醸造技術が西域より持ちこまれ、その後シルクロードでブドウとワインの醸造が行われるようになった。漢の時代にはワインは皇帝や貴族に飲まれる珍品だったが、唐代になるとワイン造りは本格化し、商業化が進んだ元の時代にかけてワイン文化が花開いた。明代は国策により白酒や紹興酒が推奨されたことからワインは低迷し、清代には王朝の弱体化や戦乱による混乱や荒廃により衰退した。その後記録が途絶えるが、19世紀になると近代的なワイン工場での生産が始まり活気を取り戻す。この頃からヨーロッパで好まれるような製法のワインが造られた。しばらくは上流階級向けのものしか造られなかったが、1978年の中国政府による開放政策後、ブドウとワインの生産量は拡大し、酒質も向上した。

Hong Pu Tao Jiu

産地としては、最南西部の雲南省、北西部の新疆ウイグル地区、中東部の山東省、北部の吉林省が主要である。雲南省はベトナムに入植していたフランス人が生産を開始したことで知られる。ローズ・ハニーという珍種はフランス本国で絶滅した品種で、黒酢の醸造からヒントを得て甕による熟成を特徴とする。山東省煙台のワイナリー張裕(チャンユー)は、カベルネ系の独自の品種「蛇龍珠」を使用していることで有名。チャンユーは国内シェア第一位のワイナリーで、海外のワイナリーと提携して富裕層向けの高級品ブランドを育てることに成功している。

Changyu Cabernet D'Est

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