気候・風土
ボルドー地方のワイン産地で、アントル・ドゥー・メール地域の南部、ガロンヌ川右岸に位置する。
以前、プルミエール・コート・ド・ブライ、コート・ド・カスティヨン、プルミエール・コート・ド・ボルドー、ボルドー・コート・ド・フランの4つのアペラシオンに分類されていたものが、AOC「コート・ド・ボルドー」としてまとめられた。
4つのアペラシオンに分かれていたワインの個性が分かりやすいように、コート・ド・ボルドーの頭に各産地の名前を入れることができる。
この再編成は、もともと複雑で分かりにくかったボルドーのAOCをシンプル化するための一環とし、2009年に行われた。
しかし、ボルドー・コート・ド・フランとコート・ド・カスティヨンはボルドー地方の東に、プルミエール・コート・ド・ブライは西に、また旧プルミエール・コート・ド・ボルドーにあったカディヤックは南に位置している。各地域で気候も、つくられるワインの特徴も異なるため、この再編成は乱暴だとする意見も根強い。
ガロンヌ川の近くでは、白亜質の粘土土壌であるが、川から遠ざかるにつれて土壌は変化をしている。
ワインの特徴
ブライ・コート・ド・ボルドーでは赤ワインと白ワインの両方がつくられている。生産量としてはメルロー主体の赤ワインが最も多い。比較的早くから飲めるが、熟成も可能。白ワインはセミヨンとソーヴィニヨン・ブランを使用した辛口のすっきりとした味わいだ。
カスティヨン・コート・ド・ボルドーは従来から良質のワイン産地として名高い土地。メルローにカベルネ・フランやカベルネ・ソーヴィニヨンをブレンドするスタイルのパワフルな赤ワインが有名だ。
カディヤック・コート・ド・ボルドーでも同様にメルロー、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨンをブレンドする赤ワインがメイン。上品な味わいが特徴だ。
フラン・コート・ド・ボルドーではメルローが主体の赤ワインと、セミヨンが主体の辛口白ワインが作られている。
エピソード
もともとAOCプルミエール・コート・ド・ボルドーとして生産されていた赤ワインは、2009年以降、AOCコート・ド・ボルドーに再編成された。
ただし、プルミエール・コート・ド・ボルドーの白のように、特筆すべき個性のある産地はそのまま旧名称のアペラシオンが残っている。
同じように、AOCプルミエール・コート・ド・ブライはAOCコート・ド・ボルドーに吸収されたが、AOCブライとAOCコート・ド・ブライは独立したAOCとして残っている。
再編成の前も後も、紛らわしいAOC名が多く、ソムリエの勉強をする者を泣かせるエリアといえるだろう。
代表的なワイン
シャトー・カリニャン/コート・ド・ボルドー・カディヤック
シャトー・ラムース・ド・ホー/キュヴェ・トラディショネール・コート・ド・ボルドー・カディヤック
プピーユ/コート・ド・ボルドー・カスティヨン
シャトー・ル・ピュイ/キュヴェ・エミリアン・コート・ド・フラン