サン・テステーフ

サン・テステーフワインの特徴とは

   

ボルドー地方の地域AOCオー・メドックの中にある独立した赤ワインの村名AOC。1936年にAOCの認定を受けた。

サン・テステーフ周辺では古代ローマ時代からワイン造りが行われていたとされる歴史的な土地である。中世の頃からイギリス商人がワインを求めてボルドー港に寄港していた背景から、この地のワインビジネスは拡大し、17世紀の排水工事によってより広大な土地でのブドウ栽培が可能となった。

Some of the vines of Cos d'Estournel

AOC名はサン・テステーフ村に由来し、メドック地区にある6つの村名AOCの中で最北に位置する。村名AOCの範囲はその名の付く村に限らず複数の村にまたがっていることも多いが、このAOCはサン・テステーフ村の範囲内で造られるワインが対象である。
土壌は他のメドック地区と同様に砂利、砂、粘土の混合であるが、やや粘土質が強い。広さは1,230ヘクタール。気候は他のボルドー地域に比べ、ジロンド川の沿岸にあることからやや気温が高めである。
使われるブドウ品種はカベルネ・フランカベルネ・ソーヴィニヨンメルローカルメネール、コット(マルベックのボルドーでの呼称)、プチ・ヴェルドなどである。AOCの基準では品種の比率は定められていないが、およそのシャトーや醸造所がカベルネ・ソーヴィニヨンを主体とし、その他の品種のブレンド比率によってそれぞれのワインの個性を出している。

Bordeaux wine: chateau phelan segur 1989, cru bourgeois saint estephe

ワインの風味の違いは、品種の他に土壌や気候、各シャトーや醸造所が受け継ぐ醸造方法などによって多岐にわたるものであるが、AOCサン・テステーフのワインの共通的な特徴として言われるのは、柔らかい、しっかりとしたタンニン、そして一般的なメドックのワインよりも強い色調などである。また長期熟成を経ることで、果実味が増し、よりまろやかで優雅な味わいになるため、長期熟成に非常に適したワインであるとされる。

Wine@06.05.20

この村名AOCの中には5つの格付けシャトーが存在する。第2級のシャトー・コス・デス・トゥルネルとシャトー・モンローズ、第3級のシャトー・カロン・セギュール、第4級のシャトー・ラフォン・ロシェ、第5級のシャトー・コス・ラボリである。AOCサン・テステーフにはそれ以外にも、格付けワインに優るとも劣らない高品質ワインが非常に多く造られている。格付け外のクリュ・ブルジョワ級の中でも、2003年に特に優良と認められた9つのクリュ・ブルジョワ・エクセプショナルのシャトーのうち、シャトー・フェラン・セギエール、シャトー・オー・マルビュゼ、シャトー・レ・ゾルム・ド・ペズ、シャトー・ド・ペズの4つがAOCサン・テステーフから選出されている。

1990 Chateau Cos Labory Bordeaux at Troquet www.troquetboston.com

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