マランジェ(マランジュ)の気候・風土
マランジュはフランス東部・ブルゴーニュ地方にあるぶどう生産地区。コート・ドールとソーヌ・エ・ロワールの境界に位置する。
もともとはシェイイ・レ・マランジュ、サンピニィ・レ・マランジュ、ドゥジーズ・レ・マランジュという隣り合った3つの村だったが、1988年にAOC認定原産地のマランジェとして統合された。
多様な谷・丘が混在する土地で、土壌は粘土質の石灰や泥灰土などが多い。保水性の高い土壌では白ワイン用のシャルドネが、逆に水はけの良い土壌では赤ワイン用のピノ・ノワールが植えられる。
AOCに認定されたのが最近というのもあって知名度は依然低い。特級畑もないものの、マランジュにある畑のほぼ半分が一級畑。確かな実力を秘めた生産地と言えるだろう。
マランジェ(マランジュ)のワインの特徴
マランジュの赤ワインは、ほとんどがピノ・ノワールで作られる。美しく濃い色合いが特徴。タンニンを多く含み、スパイシーかつボディのしっかりした味わいを楽しめる。
“IMG Maranges” by Mpmpmp – Own work. Licensed under CC BY-SA 3.0 via Commons.
白ワイン用のシャルドネも少し生産されている。こちらは透明がかった黄金色で、花の香りが漂い、しなやかで上品な飲み応えが人気を呼んでいる。
エピソード
今でこそ一級畑が多く素晴らしいテロワールが認められているマランジュだが、AOCに認定されたのは最近のことだ。
なぜそうなったかと言うと、粘土質の重い土壌がタンニンをぶどうに多く含ませることによって、果実味が損なわれるケースがあったからだと言われている。
しかし多分なタンニンは優秀な作り手によって上手く利用され、長熟を手助けする要素に変わった。マランジュの赤ワインは3年から4年は熟成させられるという特徴を持つ。恵まれた年のものならば10年以上熟成させられる場合もある。
また質の高さの割に知名度は低いため、「このおいしさでこの安さ」という風にコストパフォーマンスの高さも人気を呼ぶ要因となっている。
マランジェ(マランジュ)の代表的なワイン
・マランジュ メゾン・アン・ベル・リー ピエール・ファナル
・マランジェ シュール・ル・シェー ドメーヌ・シュヴロ
・マランジュ メゾン・ルロワ
・マランジュ クロ・ド・ラ・フュッシエール ザヴィエル・モノ
・マランジュ ルージュルー デュモン レア セレクション
・マランジュ キャロリーヌ&ニコラ モノ