フランス東部ブルゴーニュ地方、ボージョレー地区の赤ワインの村名AOCである。クリュ・ボージョレーのひとつ。軽めのものが多いボージョレー・ワインのなかでは最もボディのあるワインのひとつである。1938年にAOC認定を受けた。
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ボージョレー地区はブルゴーニュ地方の最南に位置するが、そのなかで最良の10の地区に認められたクリュ・ボージョレーはボージョレー地区の北部に集中して位置している。AOCジュリエナは、そのクリュ・ボージョレーのなかで最北に位置し、マコネ地区のサン・ヴェランと接している。AOCサン・タムールの西側に位置するこのAOCの土地は背後に山がせまり、標高230~430mの南斜面に畑は位置し、サン・タムールより標高が高く斜面が厳しい。土壌は痩せて乾いた花崗岩・片岩質土壌である。行政区画上はジュリエナ村の他、ジュリエ村、エムランジュ村とプリュズイィ村の4ヶ村に跨る。
ボージョレー・ワインはガメ種100%で造られることで知られ、このAOCも同様である。ガメ種は概して軽やかな味わいのものが多いが、AOCジュリエナのワインは個性的で力強いのが特徴で、2年~5年の熟成を経てから飲むのが適している。芳醇な味わいが特徴的なワインで、牡丹の花の香りがわずかに感じられるスパイシーな芳香がある。色調は鮮やかなルビー色で、若いうちは比較的荒削りな印象だが、熟成することでボディがしっかりしてくる。
AOC名前はローマ帝国の皇帝ジュリアス・シーザー(ユリウス・カエサル)の名に由来する。クリュ・ボージョレーの中で最も有名なAOCレニエの生産者の主張とは裏腹に、このAOCの生産者にはジュリエナの土地こそが、ローマ人によってブドウ栽培が始められたボージョレーで最古の土地であると信じられている。なおこの土地のワインの大半は、個人の醸造家ではなく生産者組合によって造られている。ブドウ耕作面積は約590ヘクタールである。