アルマニャック・テナレーズの気候・風土
アルマニャックは、フランス南西部・ガスコーニュ地方の中央、コニャック地方の中でもさらに南に位置している。
ピレネー山麓周辺のこの地域は、海洋性気候によって適度な太陽の日差しと雨量・涼気に恵まれ、緑の豊かな丘・谷が広がる。ワインに不可欠なぶどうの栽培にも適した土地だ。
“Vignoble d’Armagnac” by Jibi44 – Own work. Licensed under
“>CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons.
アルマニャックは土壌の質によって「バ・アルマニャック」「オー・アルマニャック」「アルマニャック・テナレーズ」の3つに分類され、その中でもアルマニャック・テナレーズはコンドンの北西部にあり、粘土質石灰岩と砂が多い土壌となっている。
アルマニャック・テナレーズのワインに用いるぶどうの畑として有名なのがモンテュスの畑。大きな石ころが目立つ土壌で、南向きの急斜面の上でぶどうを栽培している。温暖で水はけのいい土が、ぶどうの成熟を促してくれる畑だ。
この他にも、ラ・ティルのぶどう畑も評判が高い。カステルノー・リビエール・バス地区にあり、南南西を向いている。ここもまた、ぶどうの成熟に適した暖かく水はけのいい土壌となっている。
アルマニャック・テナレーズのワインの特徴
アルマニャック・テナレーズでつくられるワインは、スミレのような花の香りが漂い、石灰岩由来の酸味が特徴的。しかし力強い口当たりで、繊細な風味と自由奔放な味わいの組み合わせがクセになる。さらによく熟成されているので非常にコク深く、購入後に長期熟成して楽しむのにも適したワインだ。
エピソード
アルマニャックのあるガスコーニュ地方は、現在でも手付かずの自然が残る貴重な土地だ。
またアルマニャックといえば、コニャックやカルヴァドスと並ぶブランデーの名産地としても知られている。700年以上も前から製造され、白ぶどうから生産した白ワインを蒸留させてつくり出す。
「ダム・ジャンヌ」と呼ばれる丸く膨らんだ独特のフォルムをした細口瓶に詰められて、数年間の保存が可能だ。
蒸留直後は無色透明だが、熟成中に樽の色が移って茶色くなる。この熟成の過程にもアルマニャック独特のこだわりがあり、味わいにバラつきが出ないよう、ラベルに5年、10年、20年……と、使用した原酒の中でも最も古い熟成年数を表示するルールがある。
■代表的なワイン
アルマニャック・テナレーズ ドメーヌ・ダンブラ
アルマニャック テナレーズ シャトー・アイゲェティンテ
アルマニャック テナレーズ シャトー・ド・フランダット